『聞こえるよ、どぉんって、音。きれいな光
…グリーンと、感じてる』

耳と、片方でも目が残っててよかった。そう、微笑んだ。

「腹の底に響くよな、この音」

なんて、酷いことを言って、

『…ごめん』

悲しい顔をさせて、悲しいことを言わせた俺を、あっさりと許してくれる
…愛されてると、こんな時思う。

ごめん、と出かかった言葉を飲み込んだ。謝らないでって目を細めて苦笑されるのが目に見えたから。それと、言うべきなのも、言いたいのもそんな言葉じゃないから

「…来年も、また見ようぜ」

こうやって縁側に座って、金魚掬いのまね事のためにキングがコトネに追い掛けられて、ゴールドが囃し立てて、シルバーが呆れて、そんで皆で馬鹿みたいに口開けて、花火を見る。
来年もしよう。来年の今日、また来年の約束をしよう。

「茄子の牛になんか乗せてやらねぇ」
『…乗る気、ない。ここに居るよ』
「当たり前だ
…あ、来年は俺に憑いて見るか?」
『…今と、同じがいい』
「あ…そ、そうか」

きゅっと力が篭ったのを感じて、俺も繋いだ手を固く握り返した。

やーい真っ赤、バカップルと、からかい声が響く
合わせるように、どぉんと一際大きい花火が空に咲いた。









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花火とリア充
経験的に、田舎ってすっごい見やすいんだよね




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