あるときは全力でホタポタを奪い合い、またあるときはリベアを姫抱きして飛ぶギグの姿を見た。
デスコと二人が並ぶと微笑ましいのだが、時々フロンの後ろに隠れてギグを睨むリベアを目撃する。

「なんか、単純に恋人って感じじゃないわよねぇ」
「ギグさんがリベアさんを相棒と呼んでらっしゃるのも原因でしょうか」
「あ〜かも。相棒兼っていうのかしら」
「でもリベアさん曰く『試練を乗り越えられたくらいには仲良いと思う』だそうですわ…余計にわからなくなってしまいました」
「試練って?」
「ギグさんに阻止されてしまいましたから、教えていただけませんでした」
「そっか…謎ねぇ…」
「謎ですわ…」

アデルとロザリンくらい分かりやすければいいのに、とフーカはため息をついた。アルティナはあの二人は分かりやすすぎますけれどと苦笑する。

お互いを大切に思っているのはなんとなく分かるのだが、それが友情なのか愛情なのか、どうにも判別できない。
デスコがギグから聞き出したおかげで、融合していたというとんでもない過去は発覚したが、それは逆効果でしかなかった

「あ〜気になるー!」
「気になりますわねぇ」
「ギグっちをホタポタで釣って、リベアちゃん一人にできれば…」
「それだとリベアさんも一緒に釣れてしまいますわよ?」
「そうなのよね〜」

そして奪い合いになって、また一つ魔界に大きなクレーターが出来上がるのだ。それでは意味が無い

「ってゆーか、なんでギグっちが呼んだのにギグっちが仕掛けるんだろ?」
「あら、そうなんですの?」
「うん。ホタポタ食おーぜってギグっちが呼んで、でも最後の一個とかで必ずギグっちから仕掛けてるらしいのよ」
「まぁ…ギグさんはリベアさんのこと、大好きなんですのね」
「え?ツンデレとは違くない?」

フーカが目を丸くする。
これが人生経験の差かと、実は300歳以上年下の少女の反応に、アルティナは自分の歳を感じて少し切なくなった。

「どんな形でも長く一緒に居たいのだと思いますわ
ツンデレではなくデレデレかと」
「ギグっちがデレデレ…つまりあたしはステータス説明の『実はツンデレ』に騙されるところだったのね!?」
「え、フーカさん?」

妙な所に怒りを感じだしたフーカの目はメラメラと燃えている。言葉にするならば『許すまじ!』だろうか
これは大変なことになってしまう。と、なんとかフーカを落ち着かせようとアルティナが宥めだすより早く

「ギグっちはリベアちゃんにデレデレだって言い触らしてやるー!」

などと叫びながら走り去っていった。

もちろん、またクレーターがひとつ魔界に出来上がることとなった





 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
だんだん着地点分からんくなって投げた

多分起爆剤は、リベアちゃんに「え、違うの?」とか言われたのだと思う
本人デレてるつもりないデレとか可愛いよ




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