「そういえば、リベアちゃんって旅してた時と服が違うんだよね?」

ぱりぱりと菓子をかじりながら、フーカはそうリベアに問い掛けた。
ここはアルティナの部屋。現在、所謂女子会というものが催されているところだった。
問い掛けられたリベアも、ホタポタを食べながらこくりと頷く。

「うん。いろんな人に奨められてね」
「実はアルティナさんより際どかったらしいデス!」
「うそ?!」
「…この服、そこまで大胆ではないと思うんですけど…」
「ナイスバディにはいろんなところに試練があるのデス!ちょっと羨ましいデスね〜」
「リベアちゃんもアルティナちゃんも、"ある"もんね〜」

いつかあたしも!
そう意気込む彼女に、『魂だけの存在は成長しない』などと誰が言えよう。"ある"と言われた二人はおとなしく黙っていた。

「でも、デスコの言う通りだったりすることも多いから…」
「もしかして、衣装替えの原因?」
「うん。ギグにも元の世界の友達にも、いろいろ言われた」

曰く『次あれ着て外に出たらおしおき』やら、『自分の容姿と見知らぬ誰かの視線についてもっと考えなさい』と

「すごく怒られたよ」
「…そ、そんなに大胆だったの?」

想像がつかないとフーカが返事に困っているのを見たデスコが、どこからか紙を取り出し、フーカに『これデスね』と渡した。

「えぇ?!ちょ、これはギグっちも怒るって!リベアちゃんって前衛よね?!」
「お姉さまの言う通りデス!ポロリがなかったことの方が不思議デス」
「動きやすかったんだけど…そんなに駄目かな?」
「駄目ってより危ないわ。心配になっちゃう」
「そう?」

どれだけ不服そうにリベアが言おうと、この場にいる彼女以外の全員がギグの味方だった。(そして"おしおき"とは流石ギグだとも、全員が思っていた)

「リベアさんがお強いのは分かっていますけど、やはり不安要素は少ない方が良いですもの」
「それに自分以外に見せたくない、みたいなこと思ってるかもね」
「お熱いデス〜」
「あんまりからかわないでよ」

ぷすっと赤い頬を膨らませて、リベアはにこにこと(2名はにやにやと)笑う彼女らを恥ずかしげに睨みつけた。






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オチなんて親切は悪魔のすることじゃない
本当の女子会がどんなもんかは知らないが、この子達のは楽しそう




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