謎の議題にざわつく者達を見ながら、リベアは首をかしげた

「わたしはここに居るよ?」
「俺達は表ルートだろうが
しっかし、それならあの『喰世王』は誰なんだろうなぁ?」

こりゃ、久々に面白いことになるんじゃねぇか?
にやにやとギグが言う。確かに面白そうではあった。プリニガーX轟達を皆殺しにして以降、ある程度手応えある敵と戦いたければ修羅の国に行かなければならないということもあり、あまり緊迫感ある戦いはしていない。そのせいか最近の魔王達はイライラしっぱなしだ。ヴァルバトーゼに勝負を挑んでいるのを見かける回数が圧倒的に増えている。

「…あ」

ラハールが議会参加メンバー(戦闘狂ばかりだった)と共に議会に向かうのが見えた。
これは、どうなろうとも可決をもぎ取ってくるだろう。くつくつと笑うギグの隣で、リベアは議場が血の海にならないことを祈っていた。





「…へぇ」

幾多の世界を巡りはしたが、こんな世界は初めてだ
美味しそう、面白そう。悠然と微笑む喰世王の視線の先には、既に喰らった筈の愛しい存在が居た

「え、リベアちゃん?!」
「…なるほど、これがあの時言っておった、裏ルートのお前というわけか」
「…本当に、わたしだ…」

ガジル人の女性を見た時よりも遥かに、鏡のようだとリベアは思った。
王のような風格や威圧感に包まれていても、確かに目の前の喰世王はリベアの可能性の一つだった。

「…確かに、俺様と同じ力を持ってやがる」
「ふふふ…だって、ギグはここに居るんだよ?」

胸に手を当てて、喰世王は愛しげに笑みを深めた。

「なのにまた居るんだから…みんなまとめて、喰らってあげる」
「上等じゃねぇか!相棒、やるぞ!」
「うん!!」

漆黒の剣を構えた鏡のような二人に合わせるように、皆が武器を構える。

「死んでね」

そんな喰世王の言葉が、開始の合図となった





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プリニガー何回も戦えるけど気にしない
負けたら世界崩壊、勝ったらギグ様にちょっかいかけたい喰世王様がたまに遊びに来るようになります
あと(信頼も絆も理解できないから)閣下の思考回路が気になったり、殿下をからかったり、プリエやエトナと暴虐ライフをエンジョイしたりします




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