「…柘榴って、売ってないよね」
「スーパーで見かけたりはあんましねぇな」

それがどうしたと言わんばかりの目線に、レッドは答えない。数瞬の興味でしかないそれが次に浮かび上がるまで、彼は放り投げた話題を気にしたりはしないからだ。
だがそのパターンの場合、グリーンはどうにも気になってしまう。

グリーンがレッドにページをめくられている本の題名を覗いてみると、殺人という物騒な言葉が踊っていた。
そして、一般教養ばかりのグリーンの脳内に、残念ながら『殺人 柘榴』で該当する知識はなかった。

「なぁ」
「…なに」
「柘榴、食いたいか?」

無難な質問で探ろうとしているのは明らかだった。それにレッドは本から目を離すことなく、しかし少し悩んだ後こう答えた。

「…くせになったら、グリーンが危ない」

この後、レッドがグリーンの質問に答えることはなかった





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走り殴り書き
柘榴のジュースがメジャーな米では、日本よりカニバ事件が多いとか聞いた。本当かは知らない




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