そもそも、交わるには合わないことばかりが、彼と彼女の間には存在する。
さして身体がいいというわけではない。抱かれ慣れた女には程遠い彼女に、それを求めるのは酷なことだ。感度も態度も、官能小説や成人指定漫画とは違う

そして性格が合うわけでもなかった。
彼女…レッドはそっと肌の鬱血した部分を撫で、舌打ちをした。
掻きむしるように爪を立て、心底不快だと告げる寄せきった眉間のしわと、吊り上がった眉で鏡の自分を睨みつけながら、冷たいシャワーを身に受けている彼女の不快感が、まさか散々に散らしたキスマークに由来しているなどと、彼は思ったこともないだろう。

『なにが"俺のもの"だ』

所有されて喜ぶ女かどうかくらい、見極められないのかあの阿呆は。そうため息を零して、彼女は摩擦で赤くなった肌が鬱血を隠していることを確認した。

『降りてくる度に嫌なことをされるこっちの身にもなって』

一度体験してみろ
覆いかぶさられて、力で押さえられて、嫌とも言えないこの無力さを、流される腹立たしさを

『そうだ、女になればいい』

きっとそれなら、穏やかに愛し合うことができただろう


そんなふうに、抱かれる度に彼女が思考に浸っていることすら、やはり彼は知らないだろう
どうにも、交わるには合わないことばかりが、彼と彼女の間には存在する。
それでも愛し合えるのだから、男女の仲とは不思議なものなのかもしれない




 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
男嫌いが爆発した
グリーンごめん




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