縁側に並んだ二つ
悪意なんか無いのは分かっていても、止められなかった。

帰すわけがない。俺が死んでも一緒に居るんだから、そんなものは必要ないんだと、衝動のまま踏み潰した。徹底的に、潰れて乗せられなくなるように
置いたのは祖父さんだろうから、走って踏んだって言い訳すればいい。

ぐちゃっと音がして、紫だったそれが中身の白を飛び散らせているのに、少し満足した。
ついでに緑のこっちも潰そうかと思ったところで、ふとレッドの声を思い出した。

『ちくちく、とげとげ、緑…グリーン、みたい』

安直だ。でもそう言うレッドはなんだか嬉しそうだった。だから、普通だと思っていたそれがなんとなく好きになって、夏野菜だから安いからって言い訳して買って帰ったりしたな…
少し、罪悪感がある。隣の紫には躊躇する気なんて起きなかったのに、レッドの言葉ひとつでこれだ。
でも、乗り物なんぞ残しちゃいけない。行きも帰りも無い。ずっと俺と一緒なんだから、そんなものひとつもない方がいい

ぐしゃりと潰れた緑色を見て、俺は腹を抱えて笑い転げた。





 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
だんだん狂っていく
早いけど病み気味だから今のうちに
食べ物は大切にね!




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