俺が一番幸せだったころ
それは何時かと問われれば、3年前だと答えようと思う。

思い出したくない程、会う度レッドにひどいことを言った。疎まれても何も言えないくらい何度も突っ掛かって、バトルばかり望んで
それでもあの日のレッドは、俺をまっすぐに見てくれていた。だから俺は幸せだった。

なのに、あのチャンピオン戦が終わればそんな幸福は消え失せてしまった。夢から覚めるような感覚で俺の世界は崩れ落ちて、いつまでもまっすぐ見ていてくれるはずだったレッドが消えて
死に物狂いで捜し出したレッドは、俺から目を逸らすようになっていた。

知られたのかと、思った。
愛していると知られて恐れられてしまったのかと、再会の日の夜は不安で仕方なかった。
同性だ。それに勝てはしなかった。もうライバルかすらも危うい関係を築いたのは今の俺と過去の俺で、時折逸らされてしまうのはレッドに俺の知らない時間があるから。

なら、せめてレッドの視界の中に居たかった。
中央はもう望まない。だから端にでもいい、映して、見ていてほしい。
愛されることはなくても、愛して慈しんで、尽くすことならできる。
記憶の檻に鍵をかけて、あの時間を二人で繰り返したい衝動は、この世界に持ち込んだりはしないから

「愛してる、レッド」

夢見て、愛することだけは許してくれと、一人あの日々の記憶だけを追いかけた。



 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
つまりあの夢はグリーンのペルソナってことです
レッドさんが目を逸らすのは夢+隠し事の罪悪感




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