瞬く睫毛が重なる音すら耳に届くような静寂の中、眠る少女を腕に納めてただ時の過ぎを待つ

白磁の肌はやわらかな暖かさで、目覚めの要因の一切を排除しなければと思わせる寝顔はただ安らかに愛らしい。どれ程この醜い大人の腕に信頼を置いているのかなど推し量るまでもない

春の陽気に誘われて先に目を閉じたのはグリーンであった。積まれる様は山を連想させる、しかし彼女の肌は連想できない白の紙を片付けたという達成感が、澄ませ一点に集めた意識の弛緩を強要した。
それに気付いた優しい彼女がかけてくれたのだろう。しかし彼が落ちた睡魔の闇を這い上がり目を開いた瞬間に認識したのは、己とタオルケットの狭間で寝息を立てるレッドであった。

純粋な優しさと幼さが可愛らしい。のだが、彼が自身の感情の中で問題として扱いに困窮している部分が微笑ましい姿に欲を混ぜ込んでしまう。

口づけなど造作もない
引き寄せたならその首筋に紅花を散らすこともできるだろう

想像が思考を埋め尽くしていくことは感覚として理解できた。あまりの容易さに肩が震える思いではあったが、先述の通りこの少女に目覚めの要因は与えられない。
重苦しい溜息すら黙し飲み込んだ己は、まだ想うだけでいられるようだ





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大人の苦しみと少女の温もりとか萌えますすいません




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