魅了する性質があるんだと思う。妖怪も幽霊も、みんなレッドを愛している。
欲の無いそれはひどく美しくて、彼女もそれに微笑んで返す

自分がとても醜い存在に思えた。
まだスキンシップで終わる範囲の願望しかなくても、いつか俺はそれを越えて、生きる人間だけが持つ欲望を抱くようになってしまう。
今はうっすらとしか存在しない生者と死者の、魂と肉体の境界線をさらに深く引いて、俺一人だけが線の向こう側に追いやられる。
それが怖くて、恐ろしくて
脳裏に置かれた生と死の重りで釣り合う天秤の、死に重りを乗せていくんだ

水死なら死後の霊体も綺麗でいられるな。魂はあの鯉にでも引き上げてもらえばいいだろう
きっと悲しい顔をさせてしまうけれど、その償いに何年でもかけられる。

同じになれば、何も怖くないから
とりあえずレッドとお揃いの、無地の着物でも買いに行こうか





 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
膨れた死体はみんなの笑い者に
それでも緑と赤、お揃いの着物で手を繋いでゆっくりと歩く彼らは幸せそうでした。というパターン




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