一緒に行きたいな
久方ぶりにあの雪山から降りてきた兄が釣竿の整備をしているのをじっと覗きながら、レッドは好奇心で幼い胸を膨らませていた。

この兄の冒険はいつも不思議で楽しいことばかりだ。もう一つ上の兄と一緒に悪の組織を壊滅させた話はとても痛快で、常々レッドは2人と旅がしたいと願っている。
しかし過保護な長男とお隣りの3人に反対され、それが不服で仕方ない彼女にとって、あれは身近で不思議を感じられるチャンスに見えているのだろうな。と"彼"は思っている。

「また引っ掛かったみたいだから、ぼく行ってくるよ」
「また?店員さんに迷惑かけないようにね」
「原因ぼくじゃないんだけど…なんでぼくが怒られてるみたいなの?」

なんだかなぁとぼやいて、釣竿は鞄の中へ。そのリュックもまたレッドにとって不思議の一つなのだが、これはいつか旅に出る時にあげるよと言われているので今は気に留めていないようだ。
今彼女はまっすぐと兄の黒い瞳を見上げている。きらきらと輝く期待を込めたそれは可愛いと抱きしめてしまいたくなる程だけれど、問題は期待の内容だ。

「どうしたの?」
「………」
「ついてきたいの?」
「………うん。」

だめ?と小首を傾げて、じぃっと了承を待っている愛らしい妹に

「逆らえるひとがいるわけないよね?ファイア」
「…早く帰ってくること、絶対に目を離さないこと
仕方ないから今日は許す」
「もちろん!
レッド、デパートは怖い所だから、お兄ちゃんから離れたら駄目だよ」
「うん」
「約束守れたら、ピカチュウのぬいぐるみ買っていいよ」
「…うん」

ぴかちゅう…と舌足らずに呟いたレッドが空想しているのはテレビで見た巨大なぬいぐるみだろう。うっとりとした表情に、ああもう可愛いなぁと兄2人がやられていることを知らない彼女は、はやくと催促してとてとてと玄関まで歩いていく。

こんな子を一人で、危険な外に出してはいけない。
ファイアの過保護が移ったようにそんな使命感を感じた彼は、靴に苦戦しているレッドの下に走っていった


(デパートで、なにするの?)
(ミュウが引っ掛かってるのを助けに行くんだ)
(………?)




 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
上から14、11、とロリ
ミュウが釣れるバグは、なんかあそこにミュウが引き寄せられる因子でもあって、それに引っ掛かってるという妄想




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