「君は…そうだね、デモポアンだ」

本を抱きしめて、俯いて
酷い人だねと、レッドは俺を責めているようだった。
本の縁に置かれたその細い指が、いつもより白いことがとても嫌で
意味が分からないと言えば、いつもの彼女は語る姿勢になって多くの言葉で伝えてくれるのに、今回は一冊、ギリシャ神話と表紙に謡う本を寄越した。

「…あと、一年だけ」

そう残して鞄を取った彼女を追うこともできずに、一人狭くて埃っぽい部屋に取り残された俺はただひたすら、彼女の意思の鱗片が記されているのだろうその本をめくっている。
なんであんな仕種をしたのか。思い悩む種は俺にあるのか
一年とは何の期限なのか
知らなければと思う。知りたい、じゃないのは教えてくれたからだ。
本以外に関心があることは珍しいレッドが俺に関心を持って、教えてもいいと思ってくれたからこれを渡した。
詩的なようで恥ずかしい言葉に思うけど、愛してるんだ。だから答えに辿り着かないといけない
告げないと、決めた心ではあるけれど





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だいぶ終盤
いつか書き直して時系列順にまとめて、パロ部屋のその他エリアに放り込むかな




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