窓を開ける。カラカラと軽い音は天の川の音だ。いつだって俺の心を馬鹿みたいに踊らせる。

レッド。呼べば向こう岸の開く音。眠そうな眼をした織り姫はなに、と無愛想な響きを寄越した

「明日、トキワシティに行くんだけどさ」
「…わかった」
「昼もあっちでな」
「…高いとこ、や」
「わかってるって」
「ん」

完結した言葉じゃなくても伝わる意思
少食なレッドは外食料理の量の多さが嫌いなことくらい(いつからかは忘れたけど)前から知ってる。フルコース相手に苦戦する姿は見物だったなぁと思い出し笑い。じろりと睨む半眼は流れに乗せた。

「…なにしに?」
「なんかじいちゃんの知り合いに会うんだと」
「…それ、僕」
「問題ないってさ」
「…そう」

よかった。なんて言いはしなくても少し緩んだ目はごまかせない。
夜目が効いて本当によかったと思う。誰にもバレないように消された明かりと、街灯もなにもない、月の光だけの世界でもこいつの顔がしっかりと見える。
眠気で甘くなった赤は今、俺だけのものだ

「…なぁ」
「なに」
「どうせ明日一緒に行くだろ」
「…うん」
「だから…その…」
「…なに?」

ああ、伝わらない
友愛で許可されるラインが分からない。だから喉が竦む
今だけなんて嫌だと、これから数時間後までなんて待てないと
こんな中毒症状のような親愛なんて無い。

「…いいよ」

はっと、俯きかけた顔を上げた。
とろり、また赤が甘さを増した気がする。
窓枠にかかった裸足の白
そのままこちらに飛んできたものを呆然と見つめた。

「…グリーン」

入れないからどいて。抗議の音を鳴らす、窓枠に腰掛けたレッド
…ああもう、本当に

「敵わねぇ…」





 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
書いた本人がよく分かってない
10分かけたようにも見えんな




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