全部見てた。知ってた
一人になると指が目に向かうその癖、鏡を見る冷めた表情
えぐり取りたいくらいにお前は自分の眼を嫌っていて、気味が悪いと自分に言うやつらと同じことを思って、吐き捨てることもなく溜め込んだそれが指に伝わって
それでも、痛みが怖いから。心だけでも身体だけでもない見知らぬ痛みへの恐怖だけがその視界を守っていた

『…血、みたい。から…嫌い』

一度だけ聞けたお前の心の毒
他人に与えられた自分の姿を信じて、醜い赤だと貶て
きっと、聞いてはくれないだろうけど

「きれい、だよ」

お前の眼は綺麗だ
澄んだ赤、お前の嫌うその眼以外では見たこともない色
あぁ、うまく伝えられないけれど

「お前の眼の色が一番好きだ」

誰が嫌ったって、侮蔑の言葉を向けたって

「俺だけは絶対、お前が好きだ」







 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
アルビノを聞きながら
ま、ベタな話ですが




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