喘ぐように口を開いて、吸えない空気の代わりにグリーンの名を呼んだ。
音にならない、そもそも制止ではない声に、とてもとても隠しきれない笑みがその昏い瞳を輝かせるから

僕は青いグリーンの指をなぞる
まだ絞められているようだ。身体の中に残る抱かれた感触とこれはどうにも変わらないけれど、換わることはない。

「ばか」

甘い夜の最後に、泣きそうな顔をするグリーンには、きっと分からないことなんだろうけど





「言葉と身体で全部ならいいのにな」

初めて僕の首をその手で絞めたグリーンは、馬鹿みたいに必死だった。
全部じゃなくしているのは自分だって気付いていても、心があまりに裏腹で止められない。証立てした所で、不安も余計な想像も馬鹿な嫉妬も、消えはしない。
分かるよ

「ばか」
「ごめん」

解放されて僕は咳込んで、グリーンは手を鎖骨に滑らせながら意味なく謝った。服の上から身体のラインを確かめる手が、今も少しの圧迫感を感じる首を絞めていたのかと思うと、なんとなく"その気"になる。
組み敷かれる姿勢から抱き着くように起き上がって、グリーンの昏い暗い心に捕われた瞳と向き合った。
絞めて確かめたかったグリーンと、絞める手の平を愛撫としか感じなかった僕
昏い独占欲が滲むのはグリーンの方なのに、何故だろう。僕は自分の方こそ狂い始めたんじゃないかと可笑しくなった。

「愛してる、レッド」
「うん」

知ってるよ。だからいいよ
絞めても殺しても食べても飼っても

「お前だけ居れば他なんてなんにもいらないのに」
「うん」

シャツの内側に滑り込んだ冷たい手の平がたまらない。
背骨をなぞる愛撫には閉じ込めるような力があった。

「なのに、抱くだけじゃ足りない」
「…どうして?」
「なんでだろうな」

自嘲じみた苦笑を浮かべて、悲しそうにグリーンは目を細めた。

知ってるよ。僕は知ってるよ
その根源も、衝動も、みんなみんな分かってるよ

「なら…」

髪を撫でる手の平を首に連れ戻して、その上に自分の手を添える。震える背中の手と目の前の揺れる瞳に愛しさばかりが込み上げて、また『ばか』と悪態を吐きたくなるけれど

「確かめて、みる?」

誘う方が大事だ。
グリーンが、それはそれは幸せそうに、僕の首を絞めるように









 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
わけわかんないです。短いです。遅いどころの話じゃないです
本当に申し訳ありません!
いろいろ後悔ばっかりです…すいませんでした




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