「心、って心臓?」
「あ〜…いや、脳だろ」
「…そう」

短い、至極簡潔ながらまったく意味の分からない会話だった。
グリーンは質問したレッドの意図を汲んだわけではなく、ただ反応して返事をしただけだった。
疑問符を飛ばすと、珍しく察したのかレッドがたどたどしくこう説明した。

「…カスミが、読んでた」
「少女マンガ系か?」
「うん」

あまりに面白い、面白いと言うものだから、暇つぶしにと一冊借りて読んでみたという。
その漫画の最中、"気持ちを捧げる"という旨の話があり、レッドがどうしても気になったのが

「心ってどこ?」

ということだった。誰も予想していないで当然の疑問に、カスミも困っただろうなとグリーンは同情する。きっと誰も答えられなかったから、今俺に回ってきたんだろうなと嘆息し、とりあえず疑問には疑問で返しておくことにした。

「知ってどうすんだよ」
「…心臓は、えぐり取れそう」
「ほう」
「脳って、どう"捧げる"の?」

頭蓋骨からくり抜けば原形が無くなってしまいそうだと、レッドは言う。
感情に質量を持たせて考える、まさに意味の分からないその思考回路だった。それにいつも以上の驚愕と、妙な感嘆を覚えたグリーンは、ふと似たような話が頭の引き出しから飛び出してくるのを感じた。

「銃で撃って、脳みそ飛び散らせばいんじゃね?」
「…かき集めさせる?」
「そうそれ」
「…原形、ないけど」
「細かいこと気にすんなよ。プリンじゃあるまいし」

上手く取れるもんかと笑えば、レッドもそうかと納得した。
じゃあ、銃を手に入れなくちゃと





 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
わけわからーん
とりあえず婦人は頭おかしい




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