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[mokuji]
黒子が姿を消して5ヶ月。
黄瀬涼太は焦っていた。
黒子が姿を消してから、彼には一度も会えていない。
影の薄い黒子を見つけるのは難しく、黄瀬自身、今まであえて探すこともしなかった。探せなかった。
黄瀬には黒子の真意がわからない。
あれほど一緒の時間を過ごしてきたというのに、まるでもう必要がないと捨てるように居なくなってしまったのだ。
突然の別れを受けるしかないことに黄瀬は腹が立っていた。
そしてそれは他のキセキ達も同じ気持ちだと思っていた。
しかし、彼らはそれを当然のように受け取った。
自分だけが、取り残されてしまったみたいだ。
何も言わず、自分にさえも何も言わずに消えた元チームメイトの気持ちなどわかりたくなかった1ヶ月目。
キセキの誰とも顔を合わせない日が当たり前になった2ヶ月目。
彼らが隣にいないことが寂しくて仕方なくなった3ヶ月目。
帰れないあの場所を諦めた4ヶ月目。
それでも逢いに行かなければいけないと思った5ヶ月目。
今月は、今月こそは彼を探さなければと焦っている。
もうすぐ黒子の誕生日、だ。
去年の今頃、黒子の誕生日を祝った時はまだ皆で笑っていられた。
黒子に内緒で企画された誕生祝いに、普段あまり感情の起伏のない彼も、驚き、そして喜んでいた。
黒子が苦手だと公言している緑間も、練習をサボりがちになった青峰も、その日はちゃんと一緒だった。
ずっと同じチームで、来年も、高校に行っても友達で、当たり前に一緒につるんでいられると馬鹿みたいに思いこんでいた。
来年も一緒だと、黒子が読んでいた本に、彼が気がつくかわからないいたずら書きをしてそのまま鞄に忍ばせたのに。
あの時、黒子が「来年も、一緒に居たいです」と笑っていたのは嘘だったのか。
「約束するっス!」なんて大見得切ったのに、今はその姿さえ見つけることができないで居る。
なんで手を離してしまったのだろう。
なんですぐ追いかけなかったのだろう。
今更彼を捕まえたところで一体何を言えるのか。
何故こんなことばかりが頭の中を占め、悩んでしまうのか。
黄瀬は自身でもよくわからない葛藤の中にいた。
それでもあの約束は果たしたい。
黄瀬涼太は焦っていた。
黒子が姿を消してから、彼には一度も会えていない。
影の薄い黒子を見つけるのは難しく、黄瀬自身、今まであえて探すこともしなかった。探せなかった。
黄瀬には黒子の真意がわからない。
あれほど一緒の時間を過ごしてきたというのに、まるでもう必要がないと捨てるように居なくなってしまったのだ。
突然の別れを受けるしかないことに黄瀬は腹が立っていた。
そしてそれは他のキセキ達も同じ気持ちだと思っていた。
しかし、彼らはそれを当然のように受け取った。
自分だけが、取り残されてしまったみたいだ。
何も言わず、自分にさえも何も言わずに消えた元チームメイトの気持ちなどわかりたくなかった1ヶ月目。
キセキの誰とも顔を合わせない日が当たり前になった2ヶ月目。
彼らが隣にいないことが寂しくて仕方なくなった3ヶ月目。
帰れないあの場所を諦めた4ヶ月目。
それでも逢いに行かなければいけないと思った5ヶ月目。
今月は、今月こそは彼を探さなければと焦っている。
もうすぐ黒子の誕生日、だ。
去年の今頃、黒子の誕生日を祝った時はまだ皆で笑っていられた。
黒子に内緒で企画された誕生祝いに、普段あまり感情の起伏のない彼も、驚き、そして喜んでいた。
黒子が苦手だと公言している緑間も、練習をサボりがちになった青峰も、その日はちゃんと一緒だった。
ずっと同じチームで、来年も、高校に行っても友達で、当たり前に一緒につるんでいられると馬鹿みたいに思いこんでいた。
来年も一緒だと、黒子が読んでいた本に、彼が気がつくかわからないいたずら書きをしてそのまま鞄に忍ばせたのに。
あの時、黒子が「来年も、一緒に居たいです」と笑っていたのは嘘だったのか。
「約束するっス!」なんて大見得切ったのに、今はその姿さえ見つけることができないで居る。
なんで手を離してしまったのだろう。
なんですぐ追いかけなかったのだろう。
今更彼を捕まえたところで一体何を言えるのか。
何故こんなことばかりが頭の中を占め、悩んでしまうのか。
黄瀬は自身でもよくわからない葛藤の中にいた。
それでもあの約束は果たしたい。
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