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そんな談笑をして数日、被害は未だにじわじわと増えていた。
嫌がらせを受けている事は黒子と火神だけしか知らない。否、知らせていない。
人のいい先輩達と心配性の同輩達のことだ。黒子が被害を受けていると知れば何かしらの行動に出るだろう。
でも、それは駄目なのだ。
一時的に抑えた所で人の感情など容易く変わるはずもない。
何れ時が経てばまた繰り返すだろう。
そしてターゲットがバスケ部にかわる可能性だってあるのだ。
部にまで被害が及んでしまうのでは意味がないどころかマイナスとなってしまう。
だから黒子は収まるのを何もせずに待っていた。
そして、朝一番、下駄箱の前で黒子はため息をつくはめになる。
+++
――困りましたね。
下駄箱の中に入れておいた上履きが、ぐっしょりと濡れている。
蓋付きの下駄箱に誰かが誤って水をかけた訳でもないだろう。
もちろん上履きに足が生えて自立し、水浴びをして帰って来るわけがないのでこれも嫌がらせの一つなのだ。
下駄箱を狙うなんとも古典的な手法である。
あまりにもベタな手なため、予想していなかった訳ではない。が、黒子は油断していた。
今まで本人への的当てに近い攻撃しか受けていなかったため、私物への配慮を怠ってしまっていたのだ。
その結果がこれだ。
後悔しても遅い。ともかく下駄箱の中身を処理しなければならない。
黒子は下駄箱の中を一瞥し、ため息をついた。
一体なんの液体で汚されたのかわからないため素手で触るのは憚られる。
しかし、黒子はそれらを処理するための袋も手袋も用意はしていない。
面倒だが後で処分するしかないようだ。
下駄箱の蓋を閉め直し、黒子はまた一つため息をついた。
嫌がらせを受けている事は黒子と火神だけしか知らない。否、知らせていない。
人のいい先輩達と心配性の同輩達のことだ。黒子が被害を受けていると知れば何かしらの行動に出るだろう。
でも、それは駄目なのだ。
一時的に抑えた所で人の感情など容易く変わるはずもない。
何れ時が経てばまた繰り返すだろう。
そしてターゲットがバスケ部にかわる可能性だってあるのだ。
部にまで被害が及んでしまうのでは意味がないどころかマイナスとなってしまう。
だから黒子は収まるのを何もせずに待っていた。
そして、朝一番、下駄箱の前で黒子はため息をつくはめになる。
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――困りましたね。
下駄箱の中に入れておいた上履きが、ぐっしょりと濡れている。
蓋付きの下駄箱に誰かが誤って水をかけた訳でもないだろう。
もちろん上履きに足が生えて自立し、水浴びをして帰って来るわけがないのでこれも嫌がらせの一つなのだ。
下駄箱を狙うなんとも古典的な手法である。
あまりにもベタな手なため、予想していなかった訳ではない。が、黒子は油断していた。
今まで本人への的当てに近い攻撃しか受けていなかったため、私物への配慮を怠ってしまっていたのだ。
その結果がこれだ。
後悔しても遅い。ともかく下駄箱の中身を処理しなければならない。
黒子は下駄箱の中を一瞥し、ため息をついた。
一体なんの液体で汚されたのかわからないため素手で触るのは憚られる。
しかし、黒子はそれらを処理するための袋も手袋も用意はしていない。
面倒だが後で処分するしかないようだ。
下駄箱の蓋を閉め直し、黒子はまた一つため息をついた。
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