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[mokuji]
連れてこられたのは、おそらくこの家のリビング。
広々とした空間にはソファの上では猫が一匹、大きな犬がそれぞれ床に伏した状態で3匹寛いでいる。
黄瀬も大型犬だがそれよりかなり大きい犬種もいる。
――っていうか犬、なんすよね?
熊と見紛うほどに体格のいい犬達を前にして、ややしっぽが下がり気味になる黄瀬をよそに、新しい飼い主は動物同士の方がいいだろうと判断したのかさっさと部屋を出て行ってしまった。
どうしたものか、と考えあぐねる黄瀬に、一番最初に動いたのは意外にもこの中ではダントツに小さい猫だった。
するりと床に降り立つと、黄瀬の足下まで寄っていく。
しなやかな動きには気品があった。
「やあ。君が涼太だね。僕は赤司」
りんとした声が響く。
黄瀬よりずっと小さい。小さいのにその威圧感たるや、そのオッドアイに睨まれるだけで思わず尻尾を巻きたくなってしまうほどだった。
「は、はじめましてっス! ゴールデンレトリーバーの黄瀬涼太っス!」
「そう。僕はシャムだ。よろしく」
お前らも挨拶しなよ、と赤司が言うとのそりと大きな犬が立ち上がった。
立ち上がるとその犬は人並みに――いや、人よりもかなり大きい。
「紫原敦。……あいさつしたよ赤ちん」
大きな身体とはうらはらに言葉はどこか子供じみていた。
「いい子だ。敦はチベタン・マスティフだ。世界最大級の犬種だ」
「へぇ……凄いっスね」
「力も強いからな」
だから喧嘩するなよ、と釘をさされ黄瀬は苦笑いするしかなかった。
次は白い毛並みの綺麗な犬だ。
「ボルゾイの緑間なのだよ」
「よろしくっス」
「……変な語尾なのだよ」
お前こそなのだよってなんスか? と思いながらも口には出さない。
「真太郎はちょっとツンデレだからね。気にしないでくれ」
「ツンデレじゃないのだよ」
「そう、っスか」
はは、と黄瀬は乾いた笑いを浮かべた。
ボルゾイは見た目は綺麗なのにちょっと変わった性格をしているようだ。
広々とした空間にはソファの上では猫が一匹、大きな犬がそれぞれ床に伏した状態で3匹寛いでいる。
黄瀬も大型犬だがそれよりかなり大きい犬種もいる。
――っていうか犬、なんすよね?
熊と見紛うほどに体格のいい犬達を前にして、ややしっぽが下がり気味になる黄瀬をよそに、新しい飼い主は動物同士の方がいいだろうと判断したのかさっさと部屋を出て行ってしまった。
どうしたものか、と考えあぐねる黄瀬に、一番最初に動いたのは意外にもこの中ではダントツに小さい猫だった。
するりと床に降り立つと、黄瀬の足下まで寄っていく。
しなやかな動きには気品があった。
「やあ。君が涼太だね。僕は赤司」
りんとした声が響く。
黄瀬よりずっと小さい。小さいのにその威圧感たるや、そのオッドアイに睨まれるだけで思わず尻尾を巻きたくなってしまうほどだった。
「は、はじめましてっス! ゴールデンレトリーバーの黄瀬涼太っス!」
「そう。僕はシャムだ。よろしく」
お前らも挨拶しなよ、と赤司が言うとのそりと大きな犬が立ち上がった。
立ち上がるとその犬は人並みに――いや、人よりもかなり大きい。
「紫原敦。……あいさつしたよ赤ちん」
大きな身体とはうらはらに言葉はどこか子供じみていた。
「いい子だ。敦はチベタン・マスティフだ。世界最大級の犬種だ」
「へぇ……凄いっスね」
「力も強いからな」
だから喧嘩するなよ、と釘をさされ黄瀬は苦笑いするしかなかった。
次は白い毛並みの綺麗な犬だ。
「ボルゾイの緑間なのだよ」
「よろしくっス」
「……変な語尾なのだよ」
お前こそなのだよってなんスか? と思いながらも口には出さない。
「真太郎はちょっとツンデレだからね。気にしないでくれ」
「ツンデレじゃないのだよ」
「そう、っスか」
はは、と黄瀬は乾いた笑いを浮かべた。
ボルゾイは見た目は綺麗なのにちょっと変わった性格をしているようだ。
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