ナリ茶後日談4
2013.06.21.Friday
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―寮、竜彦の部屋にて。
竜「…そこのこたつむり二匹、掃除の邪魔なんだが」
鬼&狐「「アーアー聞こえなーい」」
竜「………」
鬼「いて、おまっ、実力行使かよ!」
竜「それ以外に何がある」
鬼「チッ…最近の竜彦何か冷てーなぁ…」
こたつから這い出る壱鬼。
そして掃除開始する竜彦。
鬼「あー寒っ…こんな時に野乃果がいればなー」
狐「野乃果ちゃんって、楠木野乃果?あの子人懐っこいらしいねー」
鬼「相変わらず女には詳しいのなお前…まあ、この間の茶会で会ったんだけどな。あいつ子供体質なのか湯たんぽみてぇに温たけぇんだよ」
狐「え、ハグしたの!?このスケベっ!!」
鬼&竜「「お前が言うか」」
鬼「あ…たきもいたな、何か先生やソレイユの奴とかが失踪中らしいぜ…神隠しにあってるかもって話した」
狐「そうか…なら湯○ーバとの戦いに備えなきゃな…」
竜「狐乃衛、恐らくその世界には行ってないと思うぞ」
鬼「あと、灯には角触らせた!しっかし聡といい、雨宮の家系って角好きなのか…?」
狐「よし、今度『狐耳はどうですか』って聞いてみよう(キリッ)」
竜「お前の場合、大きく分類すると獣耳だがな…」
鬼「んで、流玉って不思議な雰囲気の奴もいて、チョコ貰った!美味かった!(キラキラ)雅からは始末書貰ったがそんな事なかったことにするぜ!」
竜「おい待て、後半は聞き捨てならんぞ」
鬼「あと、三条院先輩からはオムライス貰ったなー」
狐「ああ、保健室で寝てたいつぞやのクマー?」
鬼「そう、そのクマーだ。最初は強奪しようとしたんだが、何処からともなくもう一個オムライス出してきてよ…」
狐「クマスゲー!てか本当はクマじゃなくて猫型ロボットなんじゃね!?」
鬼「こうなるといよいよ以って素顔が気になるよな…」
狐「おう…」
鬼&狐「「フフフフフ…」」
竜(また何か企んでるな…)
狐「で、他には誰いたのさ?」
鬼「んー、志士原と空野もいたけど、あんまし話せなかったな…あ!あと瞬輝がいた!」
竜「…また追われたのか?」
鬼「いいや、それがもう今後は追っかけないらしいぜ…落ち着いた雰囲気で色っぽくなっててよ、他に好きな奴でも出来たんかなー」
狐「おや壱鬼クン、失恋かーい?(ニヤニヤ)」
鬼「違ぇよ!俺にはちゃんと頼子が…っあぁぁぁ!!文と十六夜めぇぇ!!」
竜「?二人と何かあったのか?」
鬼「いんや、別にただ手帳を届けるっつー機会を逃しちまったんだよ…あー、あれさえあれば口実に二人でデートとか誘えたのに…」
狐「プフー、ヘタレにそんな事できる訳ねーだろwww」
鬼「あ?喧嘩売ってんのかテメェ…(ゴゴゴゴ)」
狐「別にー?事実を言っただけですけどー?(ニヤニヤ)」
鬼「へっ…だが俺にはちゃんと神棚に供えてあるもんがあるからな、その内自然と運が回ってくるぜ!(キラーン)」
竜&狐「「供え物…?」」
鬼「おう。文から貰った、頼子が食ってたっつー棒付き飴の棒だ」
竜&狐「「えぇぇぇぇーッ!?!?」」
鬼「うわっ、何だよ二人ともでっけぇ声出して…?」
狐「それはストーカーまがいの行為だ壱鬼!幾ら好きだからってそんな物崇めんな!」
竜「悪い事は言わない、それは捨ててちゃんと実力で頑張れ…!」
鬼「え!?何でだよ!人の唾液とか術とかでも使うから、何か効力ありそうだろ!?」
竜&狐「「神様だってそんな物供えられても困るわ馬鹿!!」」
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壱鬼、ストーカー説浮上←
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―卜部の祖父母宅、武の部屋にて。
金「うー…二人とも、そろそろ休憩にしないか…?」
威「…『勉強会をしよう』という言い出しっぺが最初に折れるか」
金「だって、もうかれこれ四時間はぶっ通しだぞ?」
武「せやな、俺もさすがに疲れてきたわ…んじゃ、下から何か持ってくるわ」
金「やったー!俺コーラが良い!」
威「…サイダー」
武「俺はパシリかいっ!?ちゅーか威綱まで何気に注文しとるし!!」
威「ちなみに氷は抜きだ」
武「一々細かい指示すな!何やお前が言うと腹立つわ…!(ギリッ)」
その後、武が飲み物と菓子を持ってくる。
三人、飲食しながら談話。
金「そういえば武、この間茶会に行ったんだってな?」
武「ん?ああ…ちょっとだけ顔出してみよ思っとったけど、何や楽しくてつい長居してしもたわ(笑)」
金「だろー!色んな人がいて面白いよな!」
威「…雅という子はいたのか?」
武「おう、中々可愛ええ子やったぞー」
威「そうか……(´・ω・)ショボン」
武「…何であいつあんな落ち込んどんねん」
金「はは…前回は威綱が行ったみたいなんだけど、雅ちゃんには会えなかったみたいなんだ」
武「ふーん…ま、今度行った時は聡がお前んバンダナ狙うから楽しみにせえよ?(ニヤニヤ)」
威「!?!?(バッ)」
金「いやいや俺達が狙ってる訳じゃないからな威綱!?(汗)」
威「…見るなぁぁぁぁっ!!!!」
金「だからモザイクまで発動しなくていいからー!!」
武(そういやモザイクで思い出したけど、黒狐先生が素顔晒しとったが見損ねたな…今度期待しとこ)
武「そうそう、ちっこいのも結構いよったなー。野乃果っちゅうのは人懐っこい可愛ええ子で、舞桜っちゅうのは素直でええ子やったわ。へへ、どっちも兄弟に欲しいくらいや…(笑)」
金「おーい武、顔緩んでる(笑)」
威「締りの無い顔だな…一撃くれてやろうか」
武「全力でお断りや!(キッパリ)あ、一撃で思い出した!ポプリっちゅう奴、中々笑いの素質あるで!」
金「へ?(・∀・)」
武「いやあ、そのポプリがボケかますんで思わずチョップで突っ込み入れてしもた(笑)」
金「しょ、初対面でそれはさすがに失礼じゃないか!?(汗)」
武「いいや、その後もまたボケかましてたからな…今度コンビ結成の話でも持ちかけてみるかな…」
威(はた迷惑な話だな…)
武「そうそうそう!この学園、ヒーローいるみたいやな!!(wktk)」
威「…戦隊モノの奴か?」
武「そや!十六夜言うてな、グッズも出てるみたいなんや!まあ今ん所フィギュアと、あと薄い本…あ…(何か思い出した)」
金「薄い本?…あ、パンフレットとかか!」
威「………(顔逸らし中)」
武「…おい威綱、思いっきし顔逸らすっちゅう事はそれなりに知識あるんやな…?」
威「…ノーコメント」
金「?え、パンフレットとか資料とかじゃないのか?」
武「金次、お前はそのままでええ、そのままで…(肩に手置く)」
金「??(・∀・)」
金「そういえば、茶会には妖人科の生徒とかもいなかったか?」
武「ああ、科は違うけど砂波銀っちゅうのと狼とがいたわ。狼は童話科、砂波銀は特殊能力科や…けど、その砂波銀が貧相な身体で筋肉が全然あらへん!あれじゃ軟弱な男子になってまう、心配やわー…」
威「…ふ」
金「…あははっ!」
武「ん、何笑ってんねん二人とも。俺、何か可笑しいこと言うたか?」
金「いいや、何だか以前と比べて変わったなーと言うか…」
威「入学した当時のお前なら、妖人とあれば喧嘩吹っ掛けていくような奴だったからな…」
武「そ、それは昔の話や!妖人でも礼儀踏まえてんなら俺かて礼儀で返すわ!…まあ、妖人科の赤髪の鬼は別やけどな」
金「あー、お前の天敵な!(笑) あれ?けど武、他にも鬼で気になる奴がいるって言ってなかったっけ?」
武「ああ、それは瞬輝……、っ!!(思い出した)」
金「?どうした武?」
武「べ、べべべ別に何もあらへんけどっ!?」
威(顔が赤い…何かあったな)
武「せ、せや!飲み物の氷持ってこよか!ちょい待っとき!(アセアセ)」
威「俺は氷は要らん!」
武「お前やなくて俺と金次に持ってくるんやこのアホ!」
―武、慌てて部屋を出て行く。
金「…なあ威綱、武の奴急に慌ててどうしたんだろ?」
威「…鈍い奴め」
金「?」
武「はー…やばかったやばかった、いきなり思い出すとか…」
あの鬼女に会ったら本性を暴いてやろう思っていたけど、いざ対面するとそれどころじゃなかった。
頭の中がパニックになって、無様にも掌の上で弄ばれてる様な状態であった。
けど、瞬輝は知れば知る程俺が思っていた“鬼”の印象からはかけ離れていた。
それと同時に自身の気持ちも次第にはっきりしてきた、そいつに惹かれている、と。
成り行きでつい髪や体に触れたが、感覚も未だにこの手が覚えている。
それでも鬼は俺にとっては許せない存在、憎むべき対象なんだと、ふと思い出す。
そしてそれが、忘れるなといわんばかりに俺の心にずっと引っかかっている。否、忘れてはいけないのだ。
「…はよ強くなって、目的の“鬼”に敵討ちせんとな…」
そうすればきっと、この感情も晴れるのだろう。
その時が来たら彼女にはっきりと自身のこの気持ちを伝えよう。好きなんだ、と。
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武は色々と失礼な事をしまくった感が満載です…orz
あと、武が自分の気持ちを自覚しました(笑)
でも悶々と引っ掛かる所があるので素直に言葉では言えず…うおぉぉ話進めて素直にさせたい!
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