壱鬼がメール受信した話

2013.06.19.Wednesday




* * * * * * *



「うおぉぉぉぉーッ!?!?!」



寮の自室の風呂掃除をしていた壱鬼は、ポケットで鳴った携帯を何気なく確認したのだが、画面を見た途端突如としてその叫びを上げた。

しかし備え付けのその風呂は、長身の彼にとっては少々天井が低かったらしい。

勢いよく立ち上がった壱鬼は、そのまま換気のダストの出っ張りに、頭を強かにぶつけた。



「いってぇぇ…って、それよかこのメールはっ…!」



ぶつけた箇所を撫でるのも程ほどに、彼は慌ててそのメールを見直す。







FROM:国原
TITLE:今度の日曜の予定だよー
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やー、壱鬼君。
予定が決まったから連絡するね。
日曜日、昼の12時に学園近くの雑貨屋の前で待ち合わせだよ。
彼女には、私の友達も一緒で良いか聞いたんだけど、勿論OKって返事がきたから、それもご連絡ー。
じゃあ、待ってます。

p.s十六夜が「ビビって行きそびれちまえ非リア充」って伝えろと言うから、それもご連絡ー。
でも私は君が来るまでいつまででも待ってるつもりだから、早めに来て欲しいな。

END
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再度その内容を読み終えた壱鬼は、思わずガッツポーズをした。

そして片方の手にしていた風呂用の掃除ブラシを放り出して、急いで両手で返事を打つ。







TITLE:文様ー!!!!
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ありがとうございます文様ァァァ!!!!

おk把握したその日絶対行く這ってでも何してでも行くからな!!!!
てかお前、するめ好きだったよな?
よっしゃ、お礼にお前んちのポストに目一杯するめ入れとくぜ!!

あ、十六夜の野郎には「非リア充の行動力なめんな!」って言っとけ。
女を待たすなんざ、無粋な野郎がする行動だぜ!

END
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送信画面を確認し、ばちんと携帯を勢い良く閉じる。



「…よっしゃぁぁー!!!!」



いつにも気合いが増した声で、壱鬼は再びブラシを手にとり掃除を開始した。

そうしてその日、彼の部屋の風呂場は普段以上に綺麗になったらしい。



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という訳で文ちゃんの介入のおかげで、頼子さんとお出掛けだそうです←

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