ナリ茶後日談

2013.06.19.Wednesday


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(あー…昨日の武道館の集まり、相変わらず賑やかだったなー…)



昨日、校内の武道館行われた集いの出来事を、壱鬼は廊下を歩きながらしみじみと振り返っていた。



(えーと、まずは亡女達から匡関係の薄い本を貰って渡す予定だったな…あと、みちると天嘉にラーメンを奢る約束もしてたっけな…)



指を折りながら、約束を思い出す壱鬼。

ふと、また別の人達との会話ややり取りの内容が頭に蘇った。



(あ、そういや鷹奈って奴が蛇一先輩と会話するって言ってたが…すっげぇ挑戦だよな…それと、笈にはへろへろにさせたりで迷惑かけちまったなー…ま、妖人だから平気か!

沙羅にはパンチラしてやったが、本当は内心喜んでたろうなアイツ。今度は目の前で脱ぐか!

文のヤツからは、十六夜の弱点も聞いたしな…ぶふっ!ケツ叩かれたとか…あ、文関連で思い出したが聡もあの場にいたが…とりあえずリア充爆発!と。

で、吹穂って奴は…口では何ともないって言ってたが、あれ明らかに俺のテンションに引いてた気が…)



うーん、と唸りながら、眉間に皺を寄せて考えこむ鬼の彼。

その考え事に伴ってなのか、他の悩み事も彼の頭に浮かんできた。



(そういや徒々囮って奴、散々俺を馬鹿にしてたな…いつか復讐して泣きっ面晒してやらぁっ!あ、そいつに関してだがSAYTSUIさんも、何かやけにテンション高かったような…気のせいか?)



悶々と考えて歩いていたおかげか、壱鬼の進行方向か自身の担任が向かってきていることに気が付かなかったらしい。

向こうから声をかけられるまで、とうとう彼は気付かなかったらしい。



「どうした壱鬼、いつにも増して悪人面になってんぞ」

「…あぁ!?その声は白沢…って、何だその顔!?キモッ!!!」



「何だ?いつも通りの俺だろうが」

「顔が違ぇんだよ!!マジで何だその顔!!」

「…十六夜と乱闘になった時に、あざでも出来たかな…?」

「は!?十六夜の野郎と喧嘩って…一体何があった!?」

「まあまあ、過ぎた事はさておき…お前に一つ言っておいてやろう。桜花先生と正式に付き合うことになったからな、今後おれを“独男”と呼ぶんじゃねぇぞ」

「…は?何言ってんだ白沢?とうとう妄想の世界にでも逃げ込んだか?」

「事実だっての。独男呼ばわりしたら消すからな」

「あ?知るかそんなの。白沢=独男ってのはもう公式だろ!」



だはは!と笑う壱鬼だが、白沢は有言実行の男らしい。

無言で笑うその鬼の生徒を見つめていたが、不意に両手から気を変化させて“消滅”させる靄を発生させた。



「ははは!…って、おいぃー!?ちょ、白沢目がマジになってね!?」

「言ったろ?独男呼ばわりしたら消すって」

「おまっ、マジかよ!?うおぉぉ俺だって文のヤツと、藤原と三人でスタバで会う約束してんだからな!!こんな所で消えてたまっかよー!!」

「だったらまずは、その減らず口を更正してから会うんだな!!」



「「うおぉぉぉ!!!」」



こうして、妖人の生徒と教師の追いかけっこが始まった。

しかし、廊下をばたばたと忙しなく走り去って行くその姿は、双方ともいつになく生き生きしているようにも見えた。



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