ナリ茶後日談5

2013.06.21.Friday


* * * * * * *



―寮、竜彦の部屋にて。



狐&竜「「………」」

鬼「ふふふふふ…」

竜「…ど、どうした壱鬼?さっきから携帯の画面ばかり見つめて…(汗)」

狐「てか鼻から垂れ流しの赤い液体拭けよ」

鬼「…綺麗な背中って、良いよな…」

竜&狐「「…(゚Д゚)ハァ?」」





鬼「いや実はな、この間クリスマスイブの茶会に行ってよ…砂波銀からいい画像貰った」

狐「成る程、ヌードとかの画像か。どれどれ」

鬼「!だぁぁ誰がテメェなんかに見せるかよォォォ!!!」

狐「あぁ!?減るもんじゃねーしチラ見くらいいいだろ!」

鬼「いいや誰にもこの背中は見せねぇ!!お前なんざ聡と瞬のツリー姿と三条院のトナカイ姿とポプリのサンタ姿の画像で十分だ!メールボム並に送りつけてやらぁ!!」

狐「全部見事に野郎ばっかですね!てか悪戯メールマジ止めてぇぇ!!」

鬼「ははは、連続で送りまくってやらー!」

狐「あぁ!もう届いて…って、あれ?灯ちゃんのメイド服姿と天嘉女の子版&俐ちゃんのドレス姿写メも混じってる。ラッキー♪」

鬼「ギャァァ間違ったァァァー!!!」

竜(平和だな…)



騒がしい二人を余所に、一人茶を啜る竜彦。



竜「…で?他にも大勢いたんだろ?」

鬼「ん?ああ、他にはルス・デ…えーと……る、ルドレっていうレアなロボットがいたな!あと鏡味にチキンとケーキ食わしてもらった!すっげぇ美味かった!それに桜花先生も戻ってきたみてーだし、あと島原って奴と酒飲んだなー」

狐「飲み食いの話が中心だねー…」

鬼「何かの杯だとか言ってたが…一体何の酒酌み交わしたかは覚えてねーや(笑)」

竜&狐((馬鹿だ…))



* * * * * * *

壱鬼はいつの間にか写メを撮っていたようです←

気付けば貴方も撮られている…気をつけて!(黙れ)

* * * * * * *



目を覚ましたら俺の隣に女の子が眠っていたので、ひどく驚いて暫し硬直してしまった。

それからして思い出すのは、昨日の夜のこと。



イブの日、教会と化した教室の茶会で雅という子とようやく出会えた。

金次や武から彼女の噂はかねがね聞いていたが、姿を見た瞬間に「ああ、あの子かな」といった感が働いた。

それと同時に、心臓が掴まれた様な感覚。

果たしてそれが何故なのか分からないまま話していたが、桜花先生と話していると「それは一目惚れというものだ」と教えられた。

ああ、これがそうなのかと思いつつ、話す中で次第にお互いの心情を話して結果、付き合う事となったのだった。



そして時間が経つにつれ眠気に襲われ、俺が彼女を抱えてひとまず部屋に行き、ちょっと休憩しようかと横に寝転がる、そのまま即行で爆睡。で、今に至る。





「………」



ひとまず雅を起こして自身の部屋に返そうか、とも思ったが、すやすやと眠る彼女の顔を見るとそれが憚られた。

ずれていた毛布を肩までかけてやると、そのまままた横になる。





―付き合うと言っても、まだまだ駆け出しの地点だ。

お互いの事もあまり詳しく知らないし、交わした言葉も全然少ない。

それに、俺に妖人の血が混じっていると知ったら彼女は嫌悪、或いは侮蔑するかもしれない。

普通の人とは違うという事を、受け入れてもらえるだろうか。



―どうか、こんな俺を嫌わないで欲しい。



そんな願いを込めて、眠る雅をそっと抱き締めて目蓋を閉ざす。

小柄な彼女の体格と温度を感じながら、俺はまた眠りへと落ちた。



− − − − − − −



「…という事で、雅と付き合うこととなった」



俺が妖人混じりと言う事は省いてそれまでのことを話した所、金次は何故か嬉しそうに目を輝かせ、一方で武はじとっとした眼差しで俺を見ていた。



「…二人とも、どうした?」

「どうしたやあらへんやろ!そんな重要な話をなめこ汁片手にしれっと話すか普通!」



昼食を目の前にして平然と話す俺が気に食わなかったらしい。

武は箸で俺を指しながら憤怒の表情を顕わにするが、それを隣にいた金次が苦笑しながら宥めた。



「ま、まあまあ武!いいじゃないか、友人がめでたくリア充になった事だし!」

「それも腹立つ一つの要因や!コイツが俺らん中でリア充の仲間になるん一番遅いと思ってたのに、真っ先に抜け駆けしよって…!」

「………」

「だぁぁぁ!威綱コラお前真顔でダブルピースすなー!!何やめっちゃ腹立つゥゥ!!」

「武!ほら、早く飯食わないと前みたく授業に遅れるぞー!?」



ちょこっと挑発してやったら、案の定武の奴は余計に苛立つ。

それを制する金次には申し訳ないが、この阿呆を馬鹿にするのは少しばかり楽しいのだ。



苦笑いしつつ武の口にエビフライを突っ込む金次らの姿を眺めながら、俺は内心穏やかに笑いながらまたなめこ汁を啜るのであった。



* * * * * * *

以上、威綱のリア充デビュー報告でした笑

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