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もう嫌だ。こんな変で嫌な気分になるのは、嫌だ。怖い。

「おまたせ柚麻。……どした?」

緑茶と和菓子をお盆に並べて台所から戻ってきた竜也。それをテーブルに置いたのを見計らって、俺は後ろから抱きついた。

「竜也っ……」
「ぅわ、どうしたんだよ本当に」
「…………っ」
「よしよし、変な夢でも見たのか?」
「こ、…わい」
「そっか。でももう大丈夫だから、な」

違うよ、変な夢なんかじゃないんだ、俺が怖いのはまさしく自分自身。それに、優しい竜也。
「饅頭食ったら多分忘れるよ」
「ん………」

そんなことがあるものか。俺は腕の力を強くした。
もうこのまま離したくない、ずっとこのまま時が流れて2人でここで死んでしまえばいいのに。
…あ、ほら、やっぱり俺は今、ほんとにたった今変なことを言った。
どうにかしている。

俺は腕を離して、誰かさんのお土産をいただいた。まずかった。

「柚麻もういっこいるか?」
「うん」

なんてまずいんだ。

そういえば今更思ったことだが、竜也がいつも以上に優しい気がする。
気のせいでもないはずだ。浮気したあとってこうなるんだろうか?そう思うと右手が自然に反対の手首へ伸びた。


I consider what?
自分のことがわからない

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