02 3/3 もう嫌だ。こんな変で嫌な気分になるのは、嫌だ。怖い。 「おまたせ柚麻。……どした?」 緑茶と和菓子をお盆に並べて台所から戻ってきた竜也。それをテーブルに置いたのを見計らって、俺は後ろから抱きついた。 「竜也っ……」 「ぅわ、どうしたんだよ本当に」 「…………っ」 「よしよし、変な夢でも見たのか?」 「こ、…わい」 「そっか。でももう大丈夫だから、な」 違うよ、変な夢なんかじゃないんだ、俺が怖いのはまさしく自分自身。それに、優しい竜也。 「饅頭食ったら多分忘れるよ」 「ん………」 そんなことがあるものか。俺は腕の力を強くした。 もうこのまま離したくない、ずっとこのまま時が流れて2人でここで死んでしまえばいいのに。 …あ、ほら、やっぱり俺は今、ほんとにたった今変なことを言った。 どうにかしている。 俺は腕を離して、誰かさんのお土産をいただいた。まずかった。 「柚麻もういっこいるか?」 「うん」 なんてまずいんだ。 そういえば今更思ったことだが、竜也がいつも以上に優しい気がする。 気のせいでもないはずだ。浮気したあとってこうなるんだろうか?そう思うと右手が自然に反対の手首へ伸びた。 I consider what? 自分のことがわからない *前 次# ← |