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「あー、じゃあ、そろそろ解散するか。」
薄暗くなってきたころ、人の少ない道路で雅樹が言った。
上手くいったと言っていいかは微妙だけど、でも、無事終わって良かった…
無愛想すぎたかもしれないけど…。
「寮まで、送ってく?」
えっ
送ってくってそんな彼女みたいじゃん!
俺どうしよう。
てか疑問系にしないでよ。
送ってってくれたら俺嬉しすぎて噴火しそう…
でもやっぱ、悪いし。
でも甘えてみても…?いやでも疑問系だったしなあ!
ぐるぐる考えてたら、雅樹がポンポンと頭を撫でてくれなすった死ねる。
「あ、いや、1人で大丈夫」
「そーか?じゃ、またメールしる」
へえぇメールしてくれるんだああ…!
じゃあまた、とお互い背を向けて歩いて、少ししたところで振り返った。
雅樹が歩いてる。
今のうちに、写真撮っとこ…
「えっと、……よし」
できた、完璧。
そして2枚目撮ろうと狙っていると、画面の中の雅樹が振り向いた。
「!!!」
「あ、仁さ」
「はい!」
びびびっくりした!
雅樹は俺の様子には突っ込まなかった。
「元カノは元カノで、今では全然なんでもないからな」
「え、あ……うん、わかってる」
それを言うために。
嬉しい。
雅樹は、
「また撮ってたのか。」
俺の携帯を指差して、笑った。
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