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「えっ‥」
「仁、俺仁の事好きだ」
「えっ‥」
やっぱり今までは‥とかそんなの置いといて、
好き?
俺の事好きなの?
好きになってくれたの?
俺を?
ほんと?
「正直自覚したのほんと最近だったんだけど、そしたら急に、俺好きな子と付き合ってるんだな‥ていうか‥」
「‥よ、くわからん」
「だよな。ごめん」
抱きしめられたその中でグズグズ泣いていると、すっごい優しく頭を撫でられた。
うわあぁ幸せ、なんだこれなんだこれなんなんだ。
良い匂い。あったかい。
写真じゃわからなかった。
「緊張するからって避けてたら意味ないなって気づいた」
「おせー…だろ」
「ほんとな」
ああ、今、付き合ってくださいと言いたい気分。
でももう、付き合ってるわけだし。
「なんで、雅樹は‥俺と付き合った?」
「ん?んー…付き合ってあげたくなったのかな?」
「うざいな」
「だな。ごめん」
ほんとにこの幸せはほんものかな。思わず不安になる。
俺を抱きしめたままで、雅樹が俺の携帯を開いた。
「なあ、待ち受けが俺なのはいいけど盗撮した写真はやめようぜ」
「なっ‥いいだろ!俺の楽しみをとるな!」
「楽しみなのか」
「………」
もう、そろそろ離せとでも言ってやろうか。
でも言わない。
俺のこと好きって言われて、
でもまだゴールなわけじゃない。
もっと俺のこと好きになればいい。
「仁と俺の2人の写真とろ。で、2人で待ち受けにしよ」
「うん」
俺の携帯で撮ったそれは、もうビックリするくらいの笑顔だった。
携帯をあけるたびこれでは、なんだか恥ずかしい気もする。
雅樹も同じようにを思っているだろうか。
あの頃と違う、同じ空を見ている。
((俺のこと、好きになってくれてありがとう))
fin
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