14(2/2)


「えっ‥」

「仁、俺仁の事好きだ」

「えっ‥」


やっぱり今までは‥とかそんなの置いといて、
好き?
俺の事好きなの?
好きになってくれたの?
俺を?
ほんと?


「正直自覚したのほんと最近だったんだけど、そしたら急に、俺好きな子と付き合ってるんだな‥ていうか‥」

「‥よ、くわからん」

「だよな。ごめん」


抱きしめられたその中でグズグズ泣いていると、すっごい優しく頭を撫でられた。
うわあぁ幸せ、なんだこれなんだこれなんなんだ。

良い匂い。あったかい。
写真じゃわからなかった。


「緊張するからって避けてたら意味ないなって気づいた」

「おせー…だろ」

「ほんとな」


ああ、今、付き合ってくださいと言いたい気分。
でももう、付き合ってるわけだし。


「なんで、雅樹は‥俺と付き合った?」

「ん?んー…付き合ってあげたくなったのかな?」

「うざいな」

「だな。ごめん」


ほんとにこの幸せはほんものかな。思わず不安になる。
俺を抱きしめたままで、雅樹が俺の携帯を開いた。


「なあ、待ち受けが俺なのはいいけど盗撮した写真はやめようぜ」

「なっ‥いいだろ!俺の楽しみをとるな!」

「楽しみなのか」

「………」


もう、そろそろ離せとでも言ってやろうか。
でも言わない。
俺のこと好きって言われて、
でもまだゴールなわけじゃない。
もっと俺のこと好きになればいい。


「仁と俺の2人の写真とろ。で、2人で待ち受けにしよ」

「うん」



俺の携帯で撮ったそれは、もうビックリするくらいの笑顔だった。
携帯をあけるたびこれでは、なんだか恥ずかしい気もする。

雅樹も同じようにを思っているだろうか。
あの頃と違う、同じ空を見ている。


((俺のこと、好きになってくれてありがとう))



fin


*前

戻る


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -