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「…仁、おい」
驚くほど怖い声ってわけじゃないんだけど、それでも肩が震えた。
「だ‥て、お、おれたちさ、こうやって休日会うのもまだに、にかいめだよ、」
「………うん、まあ」
「おま‥雅樹は俺のこと、まだ好きじゃない、かもしれないのに‥てか、そうだろ、なのにっ」
嫌だった、怖かった。
雅樹は違うだろうけど俺は初めてなんだ、こういうの。
気持ちがないのにそんなことするの、むり。
言ってるうちに早口になって一気に話してしまった。
「‥そ、悪かった。急ぎすぎたかもな」
ここでまた少しホッとして雅樹のほうを初めて見れた。
‥けど、このあとに続く"でもさ"でそれはことごとく崩れ落ちる。
「でもさ、こういうの、普通だとおもうけどなー」
「…？」
ああ、だめだ、やっぱりちょっと怒っているらしい。
そっぽ向きながら言ったそれには、どことなく棘が含まれているのが伝わる。
「‥つか仁が言ってきたんだろ、それで今の関係になってさ、だけど」
「お、俺が言ったんじゃなくてお前が勝手に付き合うかって言ったんだろ、！」
違うよ、それでそれに賛成したのも、嬉しかったのも俺だろ。
雅樹も似たようなこと俺に言ってきたけど、自分で言ったことがショックであまり聞いてなかった。
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