09(3/4)
料理が運ばれてくる間、特に会話はなかった。
俺は緊張してたし、
雅樹はボーッとどこか見てたり、スマホに向き合ったり。
どうせ上手く喋れないと思うから俺てきにはそのほうがありがたい…けど、
もしかしてここは俺から話振るべきなの!?
さり気なくアピールすべき場面なのではないだろうか。
「あ、の」
「あ、わり。ちょっと待ってて」
ぐえっまさかのこのタイミングで電話かかってきたらしく、俺に手で制止をかけ席を立った。
顧問、と言ってた。
顧問?あのハゲか!バーカ邪魔すんなバーカ!
今、俺ちょっと恥ずかしかったんだからな!
もうやだ、もうスマホいじってる間は声かけらんない。
料理が運ばれてきて少ししたら雅樹は戻ってきた。
いやーまいったぜとか言いながら。
「…どうした?」
「いや部室の鍵をさ、かけ忘れてんぞって言われたからいや今日俺の当番じゃないですって。困るよなーほんと、ごめん」
「や、いいけど」
あ、また可愛くない返事してしまった。
うまくいかねーな…
そのあとの会話が、弾んだ、わけではなかった。
なんとな〜く食べてなんとな〜く店を出た。
因みに、割り勘。
*前 次#
←戻る