06(3/3)
「まあ座ろうぜ」
「え、雅樹部活は」
「さーどうなるんだろうね」
「なにそれ」
取り敢えずまだ一緒に居れるらしい。
そばの日影になった階段に腰掛けた雅樹の隣に俺も座っちゃったりして。てへ。
「まあお疲れ。大したことはしてないけど」
「うん」
「なんかさーちょっと女々しいこというかもだけど花の世話ってわりといいもんだよな、仁はどう思う」
雅樹の言葉につい、馬鹿じゃねーのとか女々しいなとか言いそうになって、
いや、ここは素直に行こうと思った。
「うん。そう思う」
「マジかー良かった〜」
それからどうでもいい話したりして、かなり時間がたったころにようやっと雅樹が時計を気にし始めた。
「よく考えたら俺部活だわ」
「そうだろうな」
「今何時?俺スマホ忘れてきちゃったよ部室に」
麦茶に蓋をして立ち上がる様子を横目に見て、ああもう何時でも行っちゃうんだろうな、と悟った。
変わりに携帯を見る。
「あ、お昼だ」
「え!?うそだー」
「いや、マジで」
「いやそれはさすがにマズいって〜どんだけ休憩もらってんのって」
「でもだってもう1時だし」
「信じらんねー!ちょっと見せてみ」
…ったく。信じようとしない雅樹に向けて思い切り携帯の画面を向けた。
「ほら!」
あ、マジだ〜!なんて叫んで笑い転げるかと思いきや大間違い。
雅樹は、「えっ?」て顔をして固まったから、俺も「えっ?」って言って画面を確認した。
えっ?
あっ。
「……。」
「……。」
俺のお気に入りの待ち受け。
良い汗流して頑張ってる、部活中の雅樹(盗撮)がそこにいた。
死にたい。
end
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