07(3/3)
俺は元から人の言うことをほいほい聞くような性質ではなかった。
約束事も平気で破ったりした。
だからだろうか、
俺がここに居るのは。
目の前には賢斗の大学。
あれから何一つ変わっていない俺が、賢斗の言葉を無視して来てしまったのだ。
「あと30分…」
早く来すぎた。
思いたった途端に時計も見ず出てきてしまったから。
さっきからチラチラと舞っている雪が、俺の肩に少しずつ積もっていく。
寒いなあ。
吐いた息が白い。
こんなに会いたいのに、ほっとかれて。
可哀想な俺。
可哀想な羊。
END
(羊を食べた狼は果たして反省したでしょうか)(いや、するはずがない) *前
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