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それはもう、カーンと何かが頭を打ったような衝撃で、俺は唖然とした。
酷い、って、何が?
俺が?
「は、…」
「なんでっ…わかってくれないの…」
…何を?
亮太の妄想癖の事?
それとも、
なんで俺がこんなに悲しい想いしてるってわかってくれないの、とか、そういう事?
「…酷いよっ…賢斗…」
「え、…」
なんで?
なんでこうなる?
ふつふつと、何か煮えるような感覚が押し寄せた。
「…亮太!
お前おかしいよ…!」
「っ…なん、で…」
「亮太こそ、なんでわかんないんだよ…!」
こっちは楽じゃないんだよ。
俺なりに、亮太が傷つく事がないようにいつも気を配ってる。
なんで、いつも俺を悪者にしたがるの。
俺が何をしたんだ。
「酷い、っ…」
「だから何が!」
なんで泣くの。
泣きたいのは俺の方だ。
俺は、気づいたら亮太を放って簡単に自分の荷物をまとめていた。
「賢斗…?」
「…俺、お前がちょっとでもわかってくれるまで帰らないから」
それは俺にとって、凄く大きな大きな決断。
「え…ま、待って」
「…ばいばい」
「賢斗っ…」
亮太の言葉を無視して、寒い寒い外に出た。
それでも大好きな亮太へ、
また一緒に居れる為に、
どうか
俺の気持ちもわかって。
END
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