04(2/3)
たった一言が、何かを食い止めていたようで
急に疲労感が倍になった気がした。
「俺、迷惑なんていってないよ、それとも亮太にはそんな風に聞こえたの?」
「賢斗…?」
ポロポロと口から漏れる言葉は、自分で思ったよりも随分冷たかった。
亮太は傷ついたような顔をした。
それもワザとかなと思うと、ムカムカする。
「もう、さ。やめない?そういうの…」
「…え、なに…?」
「だから、自分だけが可哀想って思うの、もうやめろよ…!」
ちょっと怒鳴るような声に、亮太の体がピクッと跳ねた。
嗚呼、とうとう言ってしまった。
俺はいつごろからこう思ってたんだろう。
「お、俺…そんなつもりじゃ、」
「そんなつもりだろ!?…俺なんか悪い事した…?
…遅くなる日も極力作らないようにしてるし、あってもちゃんと断ってる…、
今日だって、…」
俺何か悪い事したかな…
自分の声が、少し震えている。
亮太は驚いたように目を見開いていたが、やがてポロリと涙を零した。
それもワザとなのか、
よくわからない。
亮太は、顔を歪ませてぐしゃぐしゃと涙を拭った。
そして、小さく震えながら口を開けた。
「…酷い、よ…」
…酷い?
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