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やっと終わった。

日に日に募る疲労感。


俺の胸に飛びついてきた亮太の小さな頭を機械的に撫でてやる。


「賢斗…」

「何?」

「おれね、クッキー作ろうと思ったの」

「へえ、やったあ」

「だから今から作るね」

「ん、ありがと」

「あと、おかえり」

「…ただいま。」


ほらこれだ。

可哀想ごっこ中じゃないときの亮太は、とてもいい子だから。

つい、何も言えない。


お菓子づくりに励みだした亮太に、夕飯は寿司でも頼もうかと言ったら「やったあ!」と言って喜んだ。

こういう普通にしてる時が一番可愛いんだけど。




でも、
優しすぎると言われる俺にも、

どうやら限界点というのがあるらしかった。





END

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