俺の「待て」を立向居は忠実に守っている。
キスだってした。手だって繋いだ。不健全な触りっこだってした。けれど最後の最後の、さらに最後の一線を越えなかったのは、俺が「待て」と言って、立向居がそれを守っているからだ。茶色髪をしたわんこがどこまで我慢できるか見たかった。
わんこは我慢強かった。だけど2ヶ月も我慢していたら、限界も訪れるのかもしれない。俺をベッドに押し倒した奴の、赤くなった頬に触れ、それでも負け惜しみで笑いかけてやる。

「いいよ」

日に焼けた首筋に手を触れる。そこに首輪はない。












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