あなたに花をあげようと思いました。赤や黄や白い花、あるときはポケットの中の小銭でお店から、あるときは森で見かけて摘んだものを。毎日、たった一輪だけしかあげられませんが、どれもきっとあなたに似合うことでしょう。毎日毎日あげました。どんなに風が吹いていても、どんなに酷い怪我をしても、あなたに花を贈るのだけはやめませんでした。一年が経ちました。三百を軽く越える花を枯らしました。店先で風に揺れていた花も、誰も知らないような場所で健気に咲いていた花も、等しく枯らしました。見ることが叶わなかった棺の中を埋め尽くすだけの花を、あなたに贈ることができたでしょうか。あれから一年が経ちました。俺はあなたに花を贈るのをやめました。










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