ほんの少しみんなより昔の円堂を知っているということが、せめてもの俺の矜持で、けれど他のみんなの前で俺の知らない円堂が俺の知らない顔で笑っている姿を想像すれば、そんなのまったく自慢にもならず、かえって昔の関係にしがみついている俺だけが酷く惨めな気分に思えた。
毎日毎日円堂は俺の知らない顔で笑う。眩しすぎてとうとう見ていられなくなる。あの太陽は昔は俺だけのもので俺だけを温めてくれたのに、今は遠すぎて指先すら触れられないのだ。どうしたんだと聞く円堂に、なんでもないよと俺は返す。円堂の目に映っている俺の笑顔もやはり円堂の知る俺の笑顔とは別のものなのだろうか。










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