01「おきてー、ねーえー、おーきーてぇー」


乗っかかられた衝撃に、文次郎は薄く目を開きました。

しかし目のまえにあった光景に目が完全に覚めました。
猫の文次郎がないているのです。

「な、何泣いてるんだ?」
「だって…もんにろー、おきてくれない……もんとお外行きたくないんだっ…!」

何やら猫の文次郎は、起きない文次郎は自分と町へ行きたくないから起きないのだと考えたようです。

人間の文次郎は笑って、

「バカタレ。そんなわけないだろ」
「で、でもぉ…」
「あのな、今はー…」

「5時だ」

「…にゃ? 朝だよ?」
「朝だが、今、町に行ってもみんな寝ていて店は出ていないぞ」
「!?」

あたふたとし始めた猫文次郎の頭を撫で、

「まだ時間があるんだ。こっちにこい」

と猫の文次郎を自分の布団に招き入れました。

「えへへー。もんにろーあったかい」
「おまえの方が温い」


もう少しして、

「あー!ずりぃ!俺とも寝てくれ!」
「にゃー!もんにろっ!留と寝ようよー!」

とうるさい一人と一匹が来るまで、二人はすやすや寝ましたとさ。






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