「うん、藤内よく似合ってる! 予想通り」
名前先輩は満足顔だ。 しかし何かが間違っている。何が? どこから? 僕は混乱していた。
水泳の授業を前に、去年の水着はサイズは合わなくなったから買いに行かなくてはと、何気なく名前先輩に漏らしたら、うちに余ってるのあるよと言われて、今日僕は水着を受け取りに名前先輩の宅を訪れていた。 で、サイズ合うかどうか着てみてよ、と言われ、先輩の部屋を借りて水着に着替えたのだが。
「先輩、ツッコミどころが多すぎて困るんですが…」 「なぁに?」 「これは女子用のスク水です。僕は男子です。あとなんで、胸にうらかぜとうないって書いてあるんですか? しかもひらがなで。計画的犯行ですか?」 「うん」
先輩はそう言って頷くだけだった。したり顔ってやつだ。全部計画通りなんだろうなぁ。 もちろん、着替える時にあれ? と思ったんだ。海パンより随分と布地が多いし。でもてっきりそういう形の水着なのかと思って、着てみたらこの有様だ。
「もう! ふざけないでください!」 「えー脱いじゃうの?」 「当たり前です!」 「本当の女の子より似合ってて可愛いのにもったいないよー! あ、でも藤内の生着替えか…じゅるり」 「ここじゃ脱ぎませんからね!」 「えー」
僕には @このままスク水でいるか、A名前先輩の前で着替えるしかないらしい。 なんだこの先輩得! 僕にいいことが一つもないぞ! どっちもやだなとため息をつくと、不意に先輩の手が伸びてきた。
「うわっ」 「水着って、体にぴったりしててやらしいよね」 「やらしいのは、先輩ですっうぇ」
先輩の指が僕の胸を辺りをつーっと伝ったので、思わず変な声が漏れてしまった。 布地が皮膚に押しつけられてくすぐったい。特にその、乳首が。
「藤内、ここ弱いね。女の子みたい」 「名前せんぱっ…ぃ」 「そんな顔で睨んだって、煽るだけだぞー?」
あろうことか先輩は僕の胸を舐めてきた。水着の上から、だ。先輩の唾液が染みた部分が濃い色に染まって、すごくいやらしい。
「先輩…っ」
ちゅぱちゅぱと音を立てながら、名前先輩は水着をべちゃべちゃにしていく。 先輩に舐められているうちに、恥ずかしながら、僕は段々興奮してきてしまった。
「おっかしいなー、ここはまだ舐めてないんだけどなぁ♪」 「っ!」
きゅっと股間を握られる。まだ触られてもないのに、僕の一物は固く膨張して、水着を押し上げ濡らしていた。先輩にものを弄られているうちに、声が我慢できなくなってくる。
「うっ、やぁっ…」
でも声を我慢すると苦しいし、息をしようとすると変な声が出るし。
「んふ…ぅんん……」 「藤内、おちんちん出しちゃうね」 「ふぇ…えぇっ?!」
紺色の水着の隙間から、名前先輩が僕の逸物をはみ出させた。無機質な紺と、肉々しいピンクのコントラストに羞恥心を煽られる。
「藤内、このまま手で弄って欲しい? 口がいい?」 「んーっ…」 「ねえ、どっち?」
先端に爪を立てられ、僕は「あぅっ」と悲鳴を漏らした。それは痛い、とても痛い。でも疼痛の中に、どこか痺れるような恍惚感があった。
「うわっ、ビクッてなった! 今の気持ち良いんだ? 痛くないの?」 「いた、いです」 「痛いのが気持ち良いの? 藤内ってばどM〜」
ぷっくりとした先端をつんつんと突きながら、先輩は「そんな藤内が大好きなんだけどね」と幸せそうに微笑んだ。こんな時にそんな顔するなんて卑怯だと思う。 僕だって、ちょっと変態でどSな名前先輩が――。
「あ、なんかちょっと大きくなった」 「せ、先輩のせいですっ…」
夏が来る前に、僕は名前先輩に溺死してしまうかもしれない。
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