名前 三郎 雷蔵 竹谷



「じゃじゃーん! い組ーズとプリクラを撮ってきましたー!」

「三人でゲーセンなんて珍しいね」

「駅前のゲーセンで、私の好きな音ゲのロケテやってたからさ、ついでにねー」

「うわー、すっげー詐欺」

「黙れ三郎」

「このラクガキ、誰か描いたんだ?」

「私私ー!」

「名前が? へぇ、名前案外センスあるんだなー。可愛い」

「なんかひっかかるけど、ありがと、ハチ」

「ねぇ、名前…この兵助の顔…」

「あ、それね。兵助、変顔してって言ってもよくわかんないって言うから、豆腐風呂に入るところを想像しろって言っ
たら、その顔になった」

「……」

「それで」

「鼻血か…」

「え、この兵助が持ってる豆腐、本物じゃないよね…?」

「うん、兵助がラクガキで描いたんだけど…」

「…もはやプリクラのラクガキじゃなくて絵画じゃね?」

「…愛は機能を越えた」

「なんか見てたら俺もプリクラ撮りたくなってきたー」

「じゃあ今日帰り行くー? 雷蔵、委員会は?」

「ないよ」

「ハチももちろん行くよね?」

「う? うん…」

「なんだよ、俺達とじゃ撮りたくないのか?」

「オレ、写真って苦手なんだよ」

「写真じゃないよ、プリクラだよ!」

「でも自分の顔が残るんだから一緒じゃん…」

「ニキビとか毛穴は吹っ飛ぶし、目も大きくなるから、別人みたいなもんだよ! はい、決定! 校門集合ね!!」









「400円だから一人100円ねー」

「はーい」

「やっべ、トイレで鏡見てくりゃよかった」

「やっぱオレいいよー。恥ずかしいし」

「ダメー! ハチも撮るの! くっきりとふんわり、どっち?」

「うーん…」

「ふんわりでよくね?」

「はい、決定! 背景とか適当に選んじゃうからねー」

「くっきりだと目が大きく見えるかなぁ。あ、でも可愛いのはふんわりかなぁ。うーん…」

「雷蔵、もう決まったぞ、それ」

「あ、そうなの?」

「ほーい、じゃ撮影始まるよー。とりあえず妥当なとこからいこう。はい、ピース!」

「にゃんにゃん!」

「舌出し!」

「びっくり!」

「双子でプリキュア!」

「ウインク!」

「双子でフュージョン!」

「ちゅー顔!」

「ハチ、だっちゅーの!」

「ジャンプ!」








「うふふ、ラクガキ職人の腕がうなるぜ! あ、三郎もそっちの席頼んだ」

「おう」

「えー、お前ら二人で描くの? 全力で嫌な予感しかしないんだけど…って言ってるそばから人の胸に猥褻って書くなぁああぁあ!!」

「三郎、キュアマリンでいいよね? 二人ははちふわ、っと」

「うわー、名前すごいねー。つか、僕、ブロッサムなんだ…」

「ドラゴンボールの胴着ってどっち前だ?」

「どっちでもいいよー。って、三郎! ちゅー顔なんで雷蔵だけこんなキラキラしてんの?!」

「仕方ないだろ、雷蔵の可愛さを具現化したらこうなったんだよ!」

「三郎、キモい」

「三郎、キモい。せっかくだから、このスタンプ入れようよ。みんな仲良しってやつ」

「おけ。あーとーはー…」

「名前! なんでオレの舌にだけ白いもの描くんだ?!」

「あー…さすがにネタ切れだな…いっか、うんこで」

「うんこうんこー」

「二人とも!!」

「あー! なんだよこれ! 小学生のイタズラ書きじゃないんだから!」



 




 ※出来上がったプリクラは、皆さんのご想像にお任せします。





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