Shutdown【イルヒソ】 | ナノ



「あ…ぁっ…キモチ、イっ…ん……あっあっ、…あっ、んんっぁあっ」



荒く鼻にかかった息遣い
酷く淫靡な甘い声


「ん…っ、ぁ、はぁ…イイ、イイッ、……あっぁぁっ、あっ…ぁんっっ」





ヒソカはこうして抱かれる時、念をいっさい纏わない。
半ば“絶”状態なんじゃないかと違える程。
それは気配が気薄な訳ではなく
禍々しいオーラを常に解き放ち、一度臨戦状態へ入ると殺気を垂れ流す普段の彼を知っている者からすれば“異常な程に自然”な生命エネルギーしか見受けられないからだ。


「ぁっ、…ん、う、ふぅ…っ、ぁっあぁっ、あぁ…んっ」
「―‐ねぇ」


腰の動きを止めて言葉を紡ぐ。


「っはぁ…なあにν」
「不安にならないの?」


自分で訊いていながら、言葉の意図をヒソカは分かるのだろうかと思う。


「んー◆ イルミは、殺す理由がなければ殺さないだろ?」
「うん」


思いは杞憂に過ぎなく、欲しい答えが返ってきた。
熱に浮かされ全く警戒をしていないこの状態のヒソカなら、俺が殺そうと実行に移せば造作もなく始末することが出来る…しかし『殺す理由がなければ殺さない』まったくその通り、こうして無防備な姿を晒していられるのも妙に納得した。
そして生まれた疑問をまた訊ねてみる。


「なら、ヒソカは何で人を殺すの?」
「殺さない理由がないから殺すのかもねぇ…◆」
「じゃあ、俺を殺さない理由って、何」


実質的な戦闘能力ならば自分が劣る。
だが組み敷く目の前の男が求める、闘いの高揚感を感じさせるくらいは善戦するはず…闘ろうと思うには十分だろう。


「ボクとキミ、身体の相性イイみたいじゃないか◆」
「それが理由?……ヒソカ、うちの親父にも抱かれてるだろ?」
「バレちゃったν」


口角を上げ三日月に形を変える独特の笑みを向けてきた、ヒソカという人物について思考を巡らせていたら…自身が埋まる秘部がきゅうっと収縮した。


「ッ!ちょ、ヒソカっ、そんな締めないでよ」
「ククッごめんごめん、イルミが話しの引き合いに実の親を出してくるからさぁ…親子二代に渡って犯されるとか、なかなかないシチュエーションだろ?考えたら興奮しちゃってν」


ヒソカは目を細め、おもいっきりニヤついた企み顔で「そういえばイルミには元気な祖父も居るんだったよねぇ?」なんて知ってるクセに訊いてきた。

ああもー
ダメ、ほんっと気持ち悪い。

中断していた行為を再開すると、先程まで部屋を満たしていた空間が蘇る。


「あっぁああっ、ん…ぅ……イキナリだっ、ねぇ◆…クククッ…νあっあっ、あぁあっふぅ、んぁあ、っっ…あっぁぁ」


挿入されて快感に喘ぐだけのヒソカはこんなにも従順で綺麗なのに。
その思考回路に触れた瞬間、なんでこうも気持ち悪いのか…
肌を重ねる毎にヒソカが変態だと分かってくる。
しかも救いようのないレベルの変態だと。

すごく嫌だ

ギチギチと何かが攻めぎ合っているような不快感。
ガンガンと頭痛までしてくる。

これは焦り…?苛立ち…?
何故?

訳が分からない


考えることをやめよう。
自分には出来ない快楽に歪む表情の観察と、肉体の性欲処理に集中して。





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