朝、目が覚めて
起き上がろうとすると
体が重く、微動だにしない


起き上がれないまま
意識を失うように
私はもう一度眠りに入ったのだった








______________










プルルルルル





携帯の着信で目が覚める
そういえば、二度寝したんだった

着信に出ると電話の先には





『…なまえ…なんで、
お前モーニングコール
してくんなかったんだよ…』

「あ…!」

『あ、じゃねぇよ…
早速朝っぱらから伊達さんに
怒られたじゃねぇか…』



私が毎朝、仕事で起きるついでに
モーニングコールをすると
約束していた谷村だった




『って、お前…仕事は?』

「あ、…やばいっ!」

『何?お前珍しく遅刻?』

「ほ、ほっといてよ…」



二度寝したので、私は会社に
連絡さえも入れていなかった

電話の向こうでクスクスと
笑う谷村を無視して
私は慌ててベッドから降りる

しかし




「わっ…!」



バタッ…!


思うように体が動かなくて
そのままベッドから落ちる

そういえば、最初に起きた時から
体が重くて動かなかったような

というより、…あれ?



『凄い音したけど大丈夫か?』

「っ、…はぁっ……」

『なまえ?』

「きに、…っしない…で…っ」



息が切れ、頭が熱く
体の力が入らない中
谷村の声が聞こえてくる

それでも心配かけたくないから
気にしないで、なんて

よくもまあ、自分で
そんな言葉が思いついたものだ





ほんとは、助けて欲しいのに





『…なまえっ…!』

「……谷村…」






こんな時でさえ
意地貼るなんて
女の子らしくないな



なんて、思いながら
意識が遠のいっていった









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