一週間の中で一番だるいと思われる月曜日。休日気分が抜けないまま登校するのもなかなか辛いもんだ。
ポケットがない女子スカートに多少のイラつきを感じながら、校門まであと数メートルの道を歩いていると、不意にリュックを引っ張られた。
「おはようさん」
朝一にお前はお呼びじゃねーよ。
あくびをしながら挨拶なのかよくわからない言葉を喋るそいつに顔をしかめる。
「また寝坊?」
「ちゃうねんって。今回は朝練なしやから」
「ふーん?」
まあ、どうでもいいけどって言葉をあくびで咬み殺す。
「眠そうだね」
「あー、昨日従兄弟と電話しとってん。張り合っとったら結構時間たっとって」
ほー、と曖昧な返事を返して、校門をくぐった。
そこには、いつもと何一つ変わらない校舎がそこにあるはずだった。正確にはあったのだが、その校舎をバックに見慣れない光景があったのだ。
「お、侑士!!お前来るん遅いわ!」
大声で、私の隣の人物の名前を呼ぶ。さっと距離を開けようとすると、リュックをつかんで戻される。巻き添えはごめんだって。登校してくる生徒も不思議そうな顔をして見つめている。
校舎をバックに立っている金髪の誰かさんを。
「え、忍足知り合い?」
「あんな金髪の不良知らんわ」
「不良ちゃうわ!!!」
馬鹿でかい学校の敷地に馬鹿でかい声が響く。
うわ、うるさい。
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