目を開けて最初に見えたのは見覚えのある天井。

「……?」

ここは、多分保健室。何回かここで休んだしそれはわかるけどなんでここに寝てるんだっけ。
確か、借り人競走で財前くんと走って、えっとそれで…三位になって、そのあと財前くんにこの前のことを謝って、そしたら目の前がちかちかして

「…たおれたの?」

誰に問いかけたわけでもなかった言葉に「そうやで」と誰かが返事をする。

「・・・どちら様」
「倒れて声もわからんくなったんか?」

カーテンがあいて、そこにいたのは白石だった。
いつもはキラキラしている顔が少し歪められていて、白石はそんな顔でもモテそうだなあなんて考える。

「白石ずっといてくれたん?」
「一応な、先生は外におらなあかんやろ?ていうかそんなことより名前ご飯食べとるん…?先生が疲労と貧血てゆうてた。ご飯も不規則やったんやないかって」
「えっと、、食べてはいたよ、一応」
「一応てお前なあ…!!何でそんな無理しとったんや、忙しいならそう言えば俺かて手伝ったのに、」

少し戯けて言った私に対して白石がどなった。そのことに少し驚きつつ本当に心配してくれていたんだなと嬉しくなってしまうのは駄目なことだってわかってはいるんだけどやっぱり少し嬉しい。

「白石!進行は副会長さんが・・・って名前?!」

少しニマニマしているとガラガラッっとドアを開けて入ってきた謙也。私を見つけたとたん開けたドアをそのままにしてドタバタ駆け寄ってくるところを見るに、謙也にも心配をかけてしまったんだろう。申し訳なさがどんどん膨らんでいく。

「ごめん、心配とか迷惑、かけたよね」
「それは別にええんやって、いつもお互い様やろ。それより体調は?寝とらんでええんか?辛くない?」
「お母さんみたいな心配の仕方しないで面白いから」
「おい!ひとが心配してんのに」
「多分そろそろ他の奴らもくるで、皆心配してたからな。特に財前」

白石がそういって、謙也も頷いた。そりゃ目の前で人が倒れたら嫌な思いするよね。ちゃんと謝らなきゃ。
想像の財前くんの横には何故か渡辺ちゃんがいたけど頭から振り払って財前くんへの本日二度目の謝罪を考えた。
|

←目次へ
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -