「ハァ…。」 今日も任務はない。 理由はよく分からないが、俺にだけ任務が少ない気がする。 「はぁー。」 やっぱり、干されてんのか? 暇すぎて、苦手な考え事までしだして。 余計に増えるため息。 俺は"英雄"セフィロスに憧れて、神羅に入って。 がむしゃらに頑張ってきて、とうとうセフィロスの副官にまで上り詰めた。 ―だけど。 俺は、何か進歩したのだろうか? そりゃ、訓練三昧の日で体力だけはついた。 でも、そうじゃない。 俺は、人として少しでも成長できたのか? …ちゃんと、必要とされてんのかな? 「…ハァ。」 「やけにため息が多いな。悩み事でもあるのか?ザックス。」 「おゎっ!?いつから居たんだよ!?セフィロス!」 「5分ほど前からだが?」 急に現れた英雄に、驚きすぎて頭が追いついていかない俺。 そんなことには構わず、セフィロスは話を進める。 「で、悩みでもあるのか?」 「…あぁ、まぁ。ちょっとな?」 「珍しいな、子犬が悩み事とは。…私が相談にのってやろう。」 ……えぇっ!?!? まじですか? 英雄サマに相談ですか!? 「え!?いや、ワリィって」 「ほぅ。貴様は上司の命令が聞けないというのか?」 英雄はずるい。 こういう時だけ、上司の特権を使うんだ。 さすがの俺も、従わないわけにはいかなくなる。 「うーん。。。俺って人から必要とされてんのかな?って」 「フッ」 え?何?今俺笑われた? 真面目に話してたのに? 「くだらないことを考えるな、ザックス。…少なくとも私は、お前を必要としている。でなければ、副官なんてさせるわけがないだろう?」 そういうと、優しく抱き寄せられる。 「お前といることが、私の幸せなんだ。」 甘い声で囁かれたら、もう俺はさっきまでの悩みなんて忘れて。 「セフィロス…大好きだぁーっ!」 め返すんだ。 End prev│next ( 1 / 1 ) [back] |