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side-Tifa

(クラウド、大丈夫かな?)


クラウドはここ最近、夜になるといつもうなされている。
初めはただ、悪夢をみたんだろう、くらいに考えていた。

…だけど。
クラウドのやつれぶりは目に見えて進行しているのだ。
目元には隈が、もともと細い身体は前にもまして痩せているようで。

今日こそは起こそうとクラウドの部屋に行けば、聞こえてきたのは…

『ざっく、す』



まだクラウドは悩んでるんだ。
…まだ"彼"はクラウドを離してくれないんだ。

それも仕方ない事だとは思うけど。

(もっと頼ってくれればいいのに)

…仲間、なんだから。



ティファはため息をつくと、小さく笑う。


…嘘、ついちゃだめだよね。

私は、クラウドが好き。
だから1番に頼ってほしいよ…


クラウドが好きなのは"彼"。
きっと、すごく大切で楽しかった思い出。
離してくれるわけ、ないよね?


(ザックスはずるいなぁ。)

こんな言い方良くないのは分かってる。
きっと彼にだってやり残したことがたくさんあったはずだから。


…でも、それでも。
私はうらやましいと思うよ。

だって、死んじゃった人に勝てるわけ、ないじゃない…!
その人を想ってる人が、他の人をみてくれるなんて…まずないんだから……。




ザックス、私はあなたの事
よく知ってるわけじゃないし
クラウドにとっての
あなたの存在なんて
知ることはできないけど…
もう少し、少しだけでいいから
クラウドを離してあげて
クラウドの為にも、私の為にも

ねぇ、もういいでしょう?

みんなから愛された
"英雄"

そのひとが唯一離さなかった。



Bien aim___moi






End.

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