02 とある晴れた日の朝。 昔ウータイに住んでたじーちゃんが教えてくれた、桜の季節。 俺は今から人生初の魔晄列車に乗る──神羅へ行くために。 弟たちは学校があるから見送りは母さんと父さんだけ。 ホームにはあんま人がいなくて、ほんとに列車なんてくんのかよ?とか思ってた。でも本当に列車が来たら感動した、迫力がすごくて、圧倒された。そして、これを作った神羅に期待と尊敬。 まだ発車には少し時間のある列車に座り窓を開け、母さん達と話す。 「…本当に行ってしまうの?」 「うん。家族残してくのは心配だけどさ、大丈夫!父さんやアレンがいるだろ?それに俺の心配はなし!だってもう18歳だぜ!」 「お前まで、いなくなるなんてな」 父さんのその言葉が胸にささる。 クラウドが家を出てったのも、一年前のちょうどこの頃だった。 「…うん。本当にごめん、父さん。でも働いて稼いで、みんなに楽させてやらないと」 「あぁ、気をつけて行くんだぞ」 発車のベルが鳴り、扉が閉まる。 …もう、戻れないんだな。 いや、これから始まるんだ、 「りょーかい!ソルジャーになって、暇できたらまた戻ってくるから!みんな元気でな!」 少しの不安と、たくさんの期待を乗せ、魔晄列車は走り出した。 [back] |