目の覚めるような青の軍服に身を包んだ二人の青年の前には大きな白いプレートに乱雑に乗った幾つかのサンドイッチ。トマトの赤やレタスの緑やチーズの黄色、ハムの桃まで色とりどりを大きめにカットされた白いパンが挟み込んでいる。皿の横にはそれを囲むのと同じ数の二つの黒いマグカップ。コーヒーの香ばしい匂いが漂う。そのコーヒーは、一人の青年の姉である軍の食堂で働く女性からプレゼントだった。金髪と茶髪の若い軍人達は談笑とともにそれらを摘んでは口に運び、マグを傾ける。彼等が軽食を取りながら会話をする食堂のテラスには、彼等の頭上にも座る机にも昼下がりの柔らかな陽射しが降り注いでいて、そのゆるりとした空気に彼等の顔も自然に緩み、明るいものになるのだった。栗色の短髪を軍帽におさめた青年がチーズを挟み込んだサンドイッチを取ろうとする。それを、長い金の髪を二本の三つ編みに結った青年がその手の下から素早く掻っ攫っていった。そのまま彼の口に消えていった最後のチーズサンドイッチを青の眼が非難の意を込めて見る。右は青で左は紫の、異色の眼が悪戯っぽく笑う。ただし、そのあとに茶髪の青年も彼の手から最後のハムサンドイッチを奪い取って胃袋におさめるという報復に出ることとなるので、おあいこだろう。数分もすればサンドイッチたちはすっかり彼等の腹の中に収まって、コーヒーも残り僅かになるばかり。すっかり綺麗になった白のプレートを机の端に寄せて彼等はなおも様々な、例えば訓練での笑い話や耳に挟んだ噂やそんな他愛のない、話をする。彼等は士官学校時代からの親友であったから暇さえあればこうして話すことが多かった。そして、今日もお互いの仕事の時間までいつものようにこの時間を過ごすはず、だった。


20120424 未定係数




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