うたプリ | ナノ



*学園時代で翔→←那









今日はいいお天気です。こうして窓際の席で授業を受けていると、おひさまが気持ちよくてちょっと眠たくなっちゃいます。でも我慢。りんごせんせぇの授業で寝てしまったら悪いですもんね。…はあ。でもさっきの時間は体育だったから、やっぱり眠いなあ。そう、今日はサッカーをしたんです。音也くんがとっても張り切ってました。試合のとき僕はキーパーをしてたんですけど、あんまりボールは来なかったのでずっと雲を眺めていました。猫さんの形の雲がとーってもかわいかったんですよ!ああ、翔ちゃんにも見せたかったなあ。そういえば音也くんと真斗くんが一生懸命ゴールを守ってくれていたんですが、どうしてあんなに必死だったんだろう?眼鏡がどうって聞こえた気がするけど………あっ、翔ちゃんだ!

そっかあSクラスはこの時間が体育なんですねぇ。Sクラスもサッカーみたいです。えへへ、翔ちゃんは今日もかわいいなあ。あんなにちっちゃな体なのに、動きは誰よりも速い。ドリブルする姿はまるでボールと一体になってるよう。敵のディフェンスを何人も抜いて…あっ今ゴールを決めました!すごいです翔ちゃん、かっこいい!


「うっふふ…」
「じゃあ次はなっちゃん……あら?なっちゃーん?おーい!なっちゃん!?」
「月宮先生…四ノ宮はそっとしておいて、授業を進めましょう」











昼休み。俺とトキヤとレンは食堂に来ていた。ちなみに今日はカレー大盛りだ!さっきの体育の時間はサッカーで、いつも以上に動き回ったからな。ちなみに俺のを見て欲しくなったのか、レンもカレーを頼んでいた。ただでさえ辛口なのにタバスコたっぷり入れてやがる…。カレーにタバスコってありなのか?そしてトキヤは相変わらず野菜ばっかの飯だな。アイドル志望としては見習うべきなのかもしんねぇけど、さすがにこれはやりすぎだろ。俺には無理だぜ…。

まあ、そんなこんなでいつも通り飯を食ってたら、那月を見つけた。音也と聖川も一緒みたいだ。あいつらも仲良いよなぁ。どうやら那月は昼飯を何にするか決めかねてるようだ。音也はカレーにしていた。あいつすっげーカレー好きだもんな。聖川は和食の定食みたいだ。なんつーか、らしい。そして音也たちが先に席を取りに行っても、那月はまだ迷っている。あいつほんっとマイペースだよな…。ん?Aランチにすんのか?…って違うのかよ。丼か?いやスパゲッティ…ああっ!色々見てるから人にぶつかりそうになってるじゃねえか!


「……翔は何を百面相しているのでしょうか」
「さあ。まあどうせまた、おチビちゃんのプリンセスを見てるんだろうね」


ああもう見てらんねえ!俺が行ってやる!









───



「おい、那月」
「翔ちゃん!」


まだまだ人が多いざわめきの中で翔が那月に声をかけると、振り返った那月はその人物を見つけて嬉しそうに微笑んだ。


「何やってんだよ。混んでるし迷惑だろ」
「あ、ごめんなさい翔ちゃん…。でも、何にしようかなって迷ってて…」
「あー、じゃあアレにしろ。俺と同じの」


翔が腕を引いて半ば強引にカレーの方へ誘導すると、那月はぱあっと表情を明るくさせる。にこにこと翔の方を見る那月に、翔は少々訝しげな表情を浮かべた。


「なんだよ?」
「翔ちゃんとお揃い、素敵だなあって」


えへへ、と嬉しそうに笑う那月に、翔は思わず顔を赤らめた。どうしてこんなことでそこまで喜べるんだよ…と思ったが口には出さず、照れ隠しにさっさと頼めとだけ言う。


「じゃあな」
「うん。ありがとう、翔ちゃん」


無事昼食を手に入れた那月と別れて、翔は席へと戻った。その口角がいつもより上がっていることを──本人は気付いていないのだろう。ただ周りから見るとよく分かるので、トキヤとレンは思わず苦笑のため息をついた。


「? どうしたんだよお前ら」
「いえ、何も…」
「おチビちゃんは幸せそうでいいねぇ」
「?? 何なんだよ?」


そして翔と別れた那月は音也と真斗との居るテーブルへ戻ってきた。


「あ、那月もカレーにしたの?」


ようやく戻ってきた那月を見て音也が言った。音也たちはもう半分くらい食べ終わっている。那月も早く食べるべく席に着く。


「そうなんですよぉ〜翔ちゃんとお揃いなんです!」
「お揃い?来栖もカレーなのか?」


はい、翔ちゃんに選んでもらったんです。嬉しそうにそう言う那月を見て、音也と真斗はつい顔を見合せた。那月がどうしたんですか?と尋ねると、音也が苦笑を漏らしながら答える。


「いや…なんか二人ってカップルみたいだな〜って」
「カップル…僕と翔ちゃんが…ですか?」
「あ、変な意味じゃないよ?」


那月の反応を見て音也はあわてて補足したが、那月はしばらくパチパチとまばたきをしたあと、にっこりと笑って言った。


「わあー!それは素敵ですねぇ」
「え!?あっ…そっそう?」
「はい!翔ちゃんと恋人同士なんて、素敵です!」


その答えは、普段から翔を大好きだと言っている那月らしいと言えばらしいが、音也も真斗もさすがに驚いて再び顔を見合せた。あれ…?那月ってマジで翔のこと好きなの…?と言いたい音也を察したのか、真斗が何も言うなとでも言いたげに首を振る。


「あれ?どうしたんですかぁ二人とも」
「いっいや何でもないよ!」
「あ、ああ。それより早く食べてしまおう」


那月は慌てて残りを食べる二人を少し疑問に思ったものの、特に気には止めなかった。






────



それにしても何なんだろうな。最近那月のこと考えてると、よく分からない気持ちになる。なんつーか、かわいいなって思うようになったような…。もしかして、世話焼き過ぎて母性的なものに目覚めたとか?なんてな。だけどこのことをトキヤとレンに話すと、何故かいきなり盛大なため息をつかれた。


「自覚がないのですか…?」
「いや…まさかここまで鈍いとはねぇ…」
「? なんだよ?」


一体何が言いたいんだ。そう思って問いつめてみても、二人は呆れたようにため息をつくだけ。なんかすっげー悔しいんだけど…。でも本当にこの気持ち、何なんだ?















「那月ってホント翔のこと好きだよね〜」
「はい!もちろんですよぉ」
「うむ。まあ…仲良きことは美しきこと、だな」


僕は翔ちゃんのことが大好きです。だってあんなにちっちゃくてかわいいんですよぉ。嫌いになるはずないですから。…あ、でも


「…最近、ちょっとおかしいんです」
「え?」


そう、僕には最近少し、悩み事があるんです。それは翔ちゃんのこと。例えばさっきみたいに、突然起こることで。


「え…」
「…翔を見てると、ドキドキする?」
「はい、そうなんです」


そう、最近翔ちゃんを見てると胸がドキドキして、苦しいんです。特に翔ちゃんのことをかっこいいなって思ったとき。翔ちゃんといるととっても嬉しいのに、同時にドキドキが苦しくて、どうしたらいいか分からなくなってしまう。


「僕、どうしちゃったんでしょうか?」
「あー…そ、それはー……」
「…すまない四ノ宮、俺はそういうことは疎くてな…」


うーん、音也くんと真斗くんにも分からないみたいです。本当に、なんなんでしょうか、この感情?






きっと恋なのでしょう
それに気付くのはもう少し先のこと





────
なっちゃん翔ちゃん、お誕生日おめでとう!そしてさっちゃんとかおるんもおめでとう!
翔那ちゃん大好きです。これからも公式の供給よろしくお願いします。





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