うたプリ | ナノ



真斗の指が、カミュのはだけさせたシャツの中へとゆっくり滑り込んでいく。長くしなやかな指先が白い胸元に触れ、さらに鎖骨を遠慮がちになぞる。そしてそのまま首筋に垂れたペールブロンドの髪を退けるように首筋を撫でると、右手で後頭部を押さえ、左手の指で彼の唇を撫でた。

するとその瞬間、その唇が少し震え、彼の瞳に動揺の色が差す。その様子を見逃すはずもなく、真斗はカミュの唇に己のそれを重ね合わせた。


カミュの体を押し倒したソファーの上で、真斗は自身の上半身を折り曲げ、キスをする。右手で後頭部を押さえ、左手を頬に添えながら。ちゅ、と生々しい音を立てて唇に吸い付き、しばらくして離したと思ったら、角度を変えてまた吸い付く。繰り返しの浅いキスは段々と深いものになっていき、角度を変えて口を合わせると、開いたそこから真斗の熱い舌がチロチロと覗き、カミュの薄い唇を撫でていく。その度にびくりと震えるカミュの体を押さえつけて、真斗のてのひらがまたカミュの服の中へと侵入していった。

今度はシャツをズボンから出して、下から捲し上げていく。乳首があらわになるほど上に捲られて、カミュは羞恥からから顔を背けてしまった。それを許さないかのように再び真斗が唇を塞ぐ。先ほどよりも更に深く繋がるキス。カミュの口からは、とうとう抑え切れなくなった吐息まじりの声が漏れた。強引に開かせた唇の間から真斗の舌が割り込んでいき、何度も何度も口付けて、俺の唾液を飲めとでも言わんばかりに真斗の唾液がカミュの口内へと流れ込んでいく。くちゅくちゅと卑猥な水音が静かな室内に響いて、恥ずかしさに軽い抵抗を試みるカミュさえも真斗は押さえ込んで、尚も口付け続けた。


「ん…っ!ふあ…っあ…あぁ…っん、やめ……、あ、んん…っ!」


そして捲し上げてあらわになった乳首にそっと触れると、カミュの体が一際大きく震えた。そこを指先でいじくれば漏れていた声は喘ぎになる。


「…………」


しばらくしてカミュの全身が熱くなったのを感じると、真斗は垂れた唾液を舐め取り、ちゅっとリップ音を立ててようやく唇を離した。そして上体を起こすと、カミュの姿を舐めるように観察する。


──荒い息、潤んだ瞳、涙と唾液で汚れた顔、悩ましげにひそめられた眉、紅潮した頬、乱れた髪。ぴんと立った薄ピンクの乳首に、ズボン越しに大きくなっているのがわかる、そこ。

その姿は、普段の高貴な姿からは想像できないほどいやらしく乱れている。


「……美しい……」

「…っ…見るな……っ」


ほう、と恍惚のため息をついて頬を紅潮させながらそう呟いた真斗に、とうとう羞恥心が押さえられなくなったカミュが顔を背け、その両腕で必死に自身の体を隠そうとする。その姿さえ美しいと真斗は思った。このままいつまでも彼を眺めていたい。なんて美しいのだろう。


しかし真斗が何もせずただじっと見つめていると、カミュはそれに焦れたように体をもぞつかせた。視線をさ迷わせながら、時折何かを求めるような目で真斗を見つめる。その視線の本意に気付いていながら、真斗は気付かないふりをした。


「っ……」


やがて耐え切れなくなったカミュが真斗の首に腕を回し、引き寄せるようにして口づける。すぐに離れたカミュの顔は、戸惑っているように眉がひそめられていた。


「早く…しろっ…!」
「!、先輩…」


そんな風にねだられてしまえば、今まで無意識に押さえていた何かが一気に溢れてしまう。


「…っ、我慢、できませんよ…っ」
「しなくて…っ、いいからっ、はやく…!」


真斗は余裕なさげに顔を歪めながらも、そっとカミュの頬を撫でる。そしてその指をワイシャツの襟元にかけて、ボタンを外していった。









────




「……貴様は、腫れ物のように触れるのだな」


あのまま二人はソファーで一夜を共にした。カミュが眠ったあと場所を移動して今はベッドの上に居る。カミュよりも早く目が覚めた真斗が耳にした彼の第一声はそんな言葉だった。


「…? どういうことでしょうか?」
「そのままの意味だ。お前は俺をまるで腫れ物のように扱うだろう」
「……大切にしたいのです。いけませんか?」


真斗は用意したコーヒーをカミュに渡しながら問うた。

腫れ物のよう。自分はそう思われるような扱いを彼にしているだろうか。ああ、しかし──あくまでカミュの後輩である自分は、確かにそんなところがあったのかもしれない。だがそれも、先ほど述べたように、カミュを大切にしたいが故なのだ。


「……俺は、伯爵ではない」
「え…?」


突然カミュの口から飛び出したその言葉に、真斗は驚いた。しかし問いただす間もなくカミュは続ける。


「俺は…女王に仕える伯爵でも、貴族でも、シャイニング事務所のアイドルでもない。…お前の前でだけは、俺はただの、お前の……真斗の恋人だ」


そうだろう?そう言ってカミュは、ベッドの上に座りながらこちらを見上げる。その瞳を、真斗は反らすことができなかった。頬が熱くなるのが分かる。昨晩あんなに乱れた姿を見ても美しいとしか思わなかった彼を今──かわいいと思った。

真斗はそのままベッドの隣に膝をついて、座っているカミュをぎゅっと抱き締めた。


「……愛してます、カミュ」
「っ!…ふ、ふんっ、当然だな」
「ふふっ…ええ、そうですね」


ああ、どうして今まで気付かなかったのか。彼はこんなにもかわいらしい。溢れる思いを表すように抱き締める腕に力を込めると、そっと背中に腕を回されて、真斗は愛おしさにふっと笑みをこぼして、そのまま目をつむった。









────
ミュー様の妙にはだけた私服姿がえろいという欲望のままに書いたらこんな話に。まさかのマサカミュ。前後と若干のずれを感じるラスト。そして肝心のところが無い!すいませんでした!私の技量ではまだ無理でした!

【急募】需要ならここにあるので、マサカミュの供給を切実にお待ちしております。





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