君じゃないと意味がない
2013/06/17 19:07
「ほんっともー!なんなんだよあの変人おは朝信者があああーーー!!!」
バンッ!と大きな音を立てた机を軽く撫で、静かにしてください、店内ですよ、と宥める。すると彼は拗ねたような目で俺を見て僕がおごったバニラシェイクを飲んだ。
「また犬も食わないなんとやらなんでしょう。いい加減にしてください」
「だって!今日は相性が悪いから近づくなって!ハイタッチもパスもすんなって!占いと俺どっちが大事な訳!?」
「……占いでしょう」
「言うなよ!!」
もうほんっと知らないから…と机におでこを当て分かりやすくへこむ彼。その時携帯が鳴り、見るとメールで、緑の彼からだった。ああ全く、こいつらはどうして二人ともケンカしたら僕を頼ってくるのか。緑の彼とか、僕と仲悪いんじゃなかったですっけ?
少しイライラして、ちょっとした気持ちで意地の悪いことを言ってみた。
「高尾くん」
「なに」
「僕に乗り換えてみませんか」
「……え」
「僕だったら君を怒らせたりしません。君が最優先です。君が呼ぶなら、何をしている時でも駆けつけましょう。どうです?」
「どうですって」
彼は苦笑いをした。少し考えるようにして、はあ、と息を吐き出す。お手上げ、とでも言うように両手を上げて。
「分かったよ。こうさーん。仲直りします」
「そうですか。残念です」
「…ありがと、テッちゃん」
「いえ」
バニラシェイクを飲む。今はその甘さが、胸に焼けた。ああ、気持ち悪い。胸糞悪い。
…僕じゃ駄目なら、緑の彼でなければならないのなら、僕を頼ったりしないでくださいよ。
「…あ、緑間くん」
「げ」
「げ、とはなんだ高尾。……あ、いや…悪かった、のだよ」
「全く。君たち本当にいい加減にしてくださいね。君たちのケンカはノロケと同レベルなんで腹が立つんです」
悪態をつこうとした彼も、僕の視線を感じとってあわてて取り繕った。僕は、彼にこいこいと手招きをして、寄ってきた彼の耳元でぼそりと言う。
「次高尾くんとケンカしたらお前のそれ削いで高尾くんぶち犯す」
…ああ、冗談ですよ多分。だから、そんな固まらないでください。…冗談に聞こえないって?まあそりゃ冗談じゃないですから。…あ。
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緑高←黒
緑高よくケンカするけど、それでも緑間じゃなきゃ、高尾じゃなきゃいけないんでしょってことで。
黒子くんは常に被害者です。だからストレスも溜まってます。
黒子くんが高尾くん好きなのは公認ですが何故か緑高ちゃんに妙に信用されててテツヤ困っちゃう。
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